そんな風に、何かしらの色んな事情や思いを抱えて働く人が多い。
私が風俗で働くきっかけとなったのは"かずき"という男に出逢った事が大きい。
もともとは15歳の頃から私も複雑な家庭の事情や、交友関係、すべてに自暴自棄になって、心の寂しさの埋めるように援助交際をしていた。
その時に今一緒に住んでいる先輩、さやと出逢い、さやに連れられてホストクラブへ初めて行き、そこでかずきに出逢ったのだ。
ホストクラブは一夜で何十万と使う事も珍しくない場所だったが、当時から金銭感覚を無くしていた私は何も考えず、ホストで使うお金なんて気にもならなかった。
さやがホスト好きなのもあって、さやとつるむようになってからはよく行くようになった。
最初はかずきのことも、なんとも思っていなくて、ただ誰かを指名さなければいけない場合だけさやの友達でもあるかずきを指名していただけだった。
それでも好きになるのに時間は掛からなかったし、お金が尽きていくのも時間の問題だった。
何の心の支えもなく、ただ漠然と生きてる私にとって、かずきは唯一の癒やしで、生き甲斐のように感じた。
そんなかずきに会えなくなるなんて考えたくもなかったし、さやに進められるまま、私は風俗嬢に成り上がったのだ。
ホストと酒に溺れた風俗嬢。
なんて情けのない女だったんだろう。
未だに思い出すだけで、恥ずかしい、消したい過去の一つ。