かずきは一言で言うと馬鹿な男(前)だった。
見た目は金髪に外ハネさせた少し長めの髪。
綺麗な二重にグレーの瞳。
わかりやすいホスト。
顔は好みじゃないけど、ゆったりした喋り方と嘘か本当なのかわからない、優しい性格にどんどん惹かれていた。
さやの友達という事で、私とさやはちょっとだけ他のお客さんよりかずきと特別に仲良くさせてもらってた。
私は私で、かずきの優しさや全てが嘘でもよかった。
それでも私のたった一人の心を許せる人だったから。
私はかずきにお金を使う。
かずきは私に安らぎをくれる。
だから私はかずきに好きという言葉は言わなかったし、かずきのプライベートな事にも無関心でいられた。
私達の関係は客とホスト。
理解していたから苦しいと思わなかった。
…と、言いたいけどやはりかずきを好きになってしまった以上、気持ちはどんどん不安定さを増していた。
そんな風に、何かしらの色んな事情や思いを抱えて働く人が多い。
私が風俗で働くきっかけとなったのは"かずき"という男に出逢った事が大きい。
もともとは15歳の頃から私も複雑な家庭の事情や、交友関係、すべてに自暴自棄になって、心の寂しさの埋めるように援助交際をしていた。
その時に今一緒に住んでいる先輩、さやと出逢い、さやに連れられてホストクラブへ初めて行き、そこでかずきに出逢ったのだ。
ホストクラブは一夜で何十万と使う事も珍しくない場所だったが、当時から金銭感覚を無くしていた私は何も考えず、ホストで使うお金なんて気にもならなかった。
さやがホスト好きなのもあって、さやとつるむようになってからはよく行くようになった。
最初はかずきのことも、なんとも思っていなくて、ただ誰かを指名さなければいけない場合だけさやの友達でもあるかずきを指名していただけだった。
それでも好きになるのに時間は掛からなかったし、お金が尽きていくのも時間の問題だった。
何の心の支えもなく、ただ漠然と生きてる私にとって、かずきは唯一の癒やしで、生き甲斐のように感じた。
そんなかずきに会えなくなるなんて考えたくもなかったし、さやに進められるまま、私は風俗嬢に成り上がったのだ。
ホストと酒に溺れた風俗嬢。
なんて情けのない女だったんだろう。
未だに思い出すだけで、恥ずかしい、消したい過去の一つ。
16歳の冬、本来なら私は高校生活を楽しんでいたはずだった。
だけど私は今、錦糸町という街にいる。
高校にも全然登校せず、先輩と二人暮らしをしていた。
生活が出来たのは、歳を誤魔化して風俗をしていたからだ。
先輩と同じ店で。
風俗の世界は、キャバクラと違い、華やかな"イメージ"すら無い。
実際のところ華やかなのかは私も知らないけど。
風俗で働く女の子は、見た目だけじゃわからない。
大人しそうでいかにも男の人が苦手そうな子が働いていたり、ギャルギャルしたお姉さんだったり、人妻っぽい色気たっぷりの人だったり…
だけどみんな、ある程度共通するものがある。
ひっそり抱える闇と愛に餓えた心だ。
「愛されたい」「ぬくもりが欲しい」「居場所が欲しい」
そんな悩みを抱える子が多かったような気がする。
もちろん、自分のお小遣い稼ぎや、単なる興味本位で始めた子もいるんだけどね。
私が働いていた店だけなのか、みんな笑顔が多かった。
でもきっと、涙の数も人より多いんじゃないんだろうか。
お金と男
両方、取り付かれるとなかなか抜け出せないものだ。
風俗で一度働くとなかなか抜け出せない子がたくさんいるのは、お金だけの問題じゃないと思うのは私だけかな?
このブログは日記でも小説でもなく、過去の自分と向き合う為に今までの全ての過ちと生活をさらけ出して行こうと思います。
小説じゃないと言いましたが、小説みたいな感覚で読んでみて下さい
内容は暴力シーンなど、18歳禁を含みます。
嘘みたいな本当のお話です。
風俗/ホスト/ヤクザ/殺人/鬱/リストカット/不安障害/裏切り/自殺未遂
内容は上記含みますので、苦手な方は読まない事をお勧めします。
文章能力も皆無です。
まさしく自己中心的な考え方をしていたので、矛盾した部分もたくさんあると思います。
なので、気分を悪くされそうであれば、これもまたご遠慮願いますm(_ _)m
それでも読んで頂ける方には感謝致します。
全てを共感して、受け入れて欲しい訳では無いので批判などあれば受付ます。
ストレートな中傷は辞めてくださいね(泣)
コメントも一言でも嬉しいのでお願いします。
愛