一瞬唖然とする有栖は思い出したように骸の頭を叩いた
「教師をからかうんじゃないよ!」
「そうですね、有栖は沢田綱吉に夢中ですし、応援しますよ僕は」
「だからそんなんじゃないって言ってるだろ」
やれやれと頭を掻き背中を向ける有栖に骸は口を開いた
「もし、僕が全教科満点だったら何かご褒美をくれませんか」
「何教科あると思ってんの?全部満点とれたら何でも言うこと聞いてやるよ、取れたらな」
ピンとデコピンを一発食らわせ出席簿で肩を叩きながら骸から離れた、背中を見る骸はいやらしく笑っていた
───────1 六道骸 900/900
ボトリと出席簿を落としたのは長嶺有栖だった、彼の心情を説明するなら、まっマジかよと言った所だろう
「おやおや」
「おぉ、六道!よくやったなぁエラいエラい」
ポンポンと頭を撫でる手を掴んだ
「?」
「ご褒美くれますよね?」
「あぁ、俺でできる事ならな。ほら言ってみろ」
「あなたにしか出来ません」
「早く言えよ」
少し首を傾げれば骸は満面の笑みを浮かべた
「ではセックスさせて下さい」
「……………………………………は?」
「言うこと聞いてくれるんじゃないですか?」
「六道、頭は大丈夫か?」
ポンと肩に手を置かれ骸はにっこり笑った
「約束は守ってくれるでしょ?」
「無理!」
「…………………」
「気をしっかり持て!お前はモテる!シたいなら女誘え!お前ならいける!先生信じてる!」
ガッツポーズをしフラリと去ろうとする有栖の前には沢田綱吉がいた、それにムカついて小さくなる背中を追いかけ肩を掴んだ
「!?六ど…っ」
「!」
「約束は守っていただきますよ有栖」
「なっ…なっ」
有栖は骸の顔を一瞬見てから直ぐに綱吉を見た、それも焦った顔で、
「…………綱吉、」
「あっゴメン…見るつもりはなかったんだけど」
「だったら早く席を外してくれませんか」
「えっと…ゴメンね?」
綱吉は慌ててその場をはなれた。放心状態の有栖の手を引き保健室へ連れて行った
「クフフそれほど好きなんですか?沢田綱吉が、泣きそうになっていますよ」
「うっせぇ!教師をからかうな」
「否定しないんですね、面白くない」
「うおっ!」
ボスンっとベッドに押し倒され有栖は素っ頓狂な声を出すも骸は気にもせず有栖に跨り問答無用にシャツを開け下着をずらした
「おっおい!なにしてっ!」
「大丈夫ですよ鍵はしています、………………やはり男ですね」
「そんな問題じゃねぇよ!つーか俺は男だっ!てか二重でツッコますな」
「いい声で啼いてください、クフフ」
「ぅあっ」
いきなり扱かれた有栖は声を出した、それに骸はあの独特の笑い声を上げた
「やめっろ」
「顔のわりに大きいですね、意外です」
「そんな事聞いてっぅぁ、あ」
「いい声ですね」
グリグリと先端を押すと有栖は身をよじりだした
「いぁ、いたっい…六道やめっやめっ!」
「痛くても反応するんですね、気持ちいいですか?」
輪っかを作った右手でゆるゆるとさすればブルッと有栖の腰が揺れた。
「腰動いてますよ」
「も、やめっろ!」
「なんでも言うこと聞くと言ったのはあなたですよ、PTAなど関係ないのでしょう?」
「あっんぅ、やめ、」
完全に勃起している有栖のそれに骸は舌を使い先を舐めた、瞬間、有栖の腰が引けた
「六道っ!」
「ひもひ、ひひでしゅあ?」
「あっぁ…あっ」
半泣きになりながら眉を寄せ快感を堪える有栖を気にせず裏や先、包むように口に含めば有栖はギュッとシーツを握った、それを横目に骸はゆっくり口を引けば銀色の糸がかかった。やめてやめてといったものの離されれば物欲しくなる、男なのだ。快感には弱い
「物欲しそうですね」
「違っ!」
「有栖、続けて欲しいと言って下さい」
「言わねーよっ!」
「そんな格好をして言われても僕が興奮するだけですよ」
「お前がこんな格好にさせたんだろーが!」
「えぇそうですね、」
「変態野郎がっ!」
「わかっているじゃありませんか」
にっこり笑う骸を見て有栖は眉間にシワを寄せ殴った
「何がしてぇんだバカ!」
「っ」
骸は一瞬動揺し、誤魔化すように再びそれを口に含んだ
「あっ」
ギュッと目を閉じた瞬間、腰が浮いた
ドピュッと出、骸は搾り取るように吸い上げればイッたばかりの有栖は女性のように甲高い声を漏らしあろう事か骸の頭を抑えていた
口から白濁とした液体を口から漏らす骸に有栖は「うわっ大丈夫か!?吐け」と背中をさするが骸はゴクリと音を立てて飲み込んだ
「喉にへばりつきますね」
「いやぁ…それは俺に言われてもな、てゆーかお前なにしてんだよ!」
多少呆れ気味で言うも頬に紅葉マークがついているので荒々しく怒れない。ポンポンと頭を叩き有栖は溜め息をついた
「大人をからかうな、中坊」
「!…暇つぶしですよ、あなたなんか困ればいいんです」
ぼそりと呟いたそれに有栖は遠くを見つめ、本日最大の溜め息をついた
「タバコが吸いてぇ」
さよならを言う勇気は要りません
(一歩踏み出せば変われる気がした。それは、気がするだけなのだろうか、)