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特別連載*骸×先生

ぼへーっと窓を見る姿は美男子というに相応しい。六道骸とはそういう人物なのだ、なににも興味が無く感情を面に出さない。と言うか人と会話をするのも嫌がっている。無関心、よく言うならクール


「(この世界なんて所詮はこんなものですね)」

「……面倒くさい」
パコンッ
「?」
「面倒くさいじゃないよ!集中しな!」
「……………長嶺有栖(ながみありす)」
「先生の名前を呼び捨てとは言い度胸だなぁ六道!」
むにーっと頬を捻るとポーカーフェイスが崩れクラスメートがどよめくのがわかった。六道骸にこんな態度をとるのは長嶺有栖だけだ


「いひゃいでしゅ、」
「今度からは先生と呼ぶように」
「まぁ考えときます」
「今考えろ」
コツンと頭を叩き教卓へ向かった


「アリス〜不思議の国はどこですかー」
「てめっ案内してやろーか」
べしっと前の男子を叩いた。有栖は生徒と仲がいい、六道だけではなく人気者なのだ。女性のように華奢な体型と女性よりも整った容姿は名前と合っている

「なんだ六道」
「別に」
「?」
「……なんですか」
「態度の割には課題してんな、エラいぞ」
頭を撫で始めた有栖に骸はポカーンとし次に真っ赤になった

「なっな、」
「はーいお前ら六道見習って課題しとけよー、じゃねぇと点数やらねーからなぁ、かと言って呼び捨てはしないように。PTAとか関係なく殴るから覚悟するように」

いいのかよーと男子が笑いながらゆうがいいんだよっと有栖は笑い飛ばし授業を続けた
最近、有栖を目が追っている
自覚したのは数日前だった、ただ犬に「骸さん誰みてるんれすか?」の答えがあまりにも簡単過ぎて、いや衝撃的過ぎて絶句した


そして見ているうちにわかった。有栖は沢田綱吉に好意を持っている、少し周りと扱いが違う。些細な事だがわかってしまう、…気になるから




「有栖、今日一緒にお昼どうかな?」
「綱吉先生からお誘いなんて珍しいですね、明日は雨かな?」
「えぇ!?俺から誘ったらいけなかった!?」
「嘘ですよ!またまた綱吉先生は天然みたくなって〜天丼ゴチです」

「俺のおごり!?」
「…………有栖」
「おっ!どうした?六道」

「ここ教えてもらえませんか?」
「あっじゃぁ俺先に行ってるね」
「うん、天丼頼むよ?綱吉」
「はいはい」
「………………」
骸は綱吉を睨み付けた。綱吉はビクッとするがすぐさま愛想笑いを浮かべた

「(、腹立たしい)」
「で、どこわかんないって?」
「範囲がわかりません」
「……お前頭いいのに抜けてんね?53から68までな?覚えたか」
「えぇ、ありがとうございます」
「おっ学業に励むように!」
頭を3度ほど軽く叩く姿はやはり教師のように見えた。骸は顔を赤く染めるがやめて下さいと零した


「じゃぁ俺ご飯行くから」
「有栖は沢田綱吉が好きなんですか?」
「だから有栖って呼び捨てすん…え?」

「だから好きなんですか?」
「ばっ同僚だよ!六道、勉強のし過ぎか?先生不安だぞ」
「ではなぜ、彼だけ呼び捨てなんですか?なぜ彼といる時だけシワを作って笑うんですか?なぜ彼の隣を歩きたがるんですか?」

「………………………」
「好きなんですか?」
「案外…饒舌なんだな、」
「ぼっ僕が聞いてるのは!」
「はいはい、子供が大人をからかうんじゃない。俺と綱吉は同僚で家も近いから仲いーだけだ、わかったか!」

       ・・
───────綱吉。


ズキンと心臓が痛んだ
「有栖、」
「だから呼び捨てにすんじゃないよ」


「もし僕が好きだと言ったらどうしますか」





それは致死量の愛ですか?
(驚き真顔になる彼に仮面は剥がれたと、思う自分がいた)


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