話題:創作小説
こんにちは!
パチパチありがとうございます(´∀`)
取り敢えず、今回で漸く状況が出揃いました。
次回より折り返しにはいります。
ではでは、追記よりどうぞ★(*''*)
*****
『ん…』
おぼろ気な意識で目を開けると、見慣れぬ景色だった。
恐らく王宮のどこかと思うが、自室では無い。
そもそも何故意識を失ったのか、思い出せない。
『やっと起きたか』
視線の後ろから声がしたので、身体を反転させる。
そこには、やや呆れ気味なジャミルが立っていた。
『ジャミル神…?何で、ここに…?』
『?寝ぼけてんのか?お前、さっき陛下を庇って池に落ちたんだぞ?覚えてないのか?』
『陛下を庇って…?でも、私はここにいるわよ?』
何言ってるの?と言うものの、見る間にジャミルの顔色が悪くなる。
一体どうしたのだとジト目で見ていると、不可解な事を言い出した。
『な…に女言葉を使ってんだよ!池に落ちて、気でも触れたのか?しっかりしろよ!“アリル”!』
『へ……?』
ジャミルの言葉に、思考が追い付かない。
自分はれっきとした女なのに、誰がアリルか!
『何、言ってるのよ!私はアリル神じゃ無いわ!セリアよ!』
『言うに事欠いて、誰が陛下だ!お前みたいにゴツい男が、臆面も無く可憐な陛下を語るんじゃない!恥を知れ!』
真実を告げているのに、全く受け入れて貰えず、手近にあった鏡を眼前に突き付けられる。
『うそ…』
目の前には、紛れも無くアリルがいたのだ。
『わかったか?アリル!オラ、さっさと目を覚まして起きろよ!』
(ちょっと待って!何で私がアリルなの?)
『じゃあ、アリル…じゃなかった。陛下はどちらに?』
『陛下は御寝所で休まれているぞ。今は、ティニアとリオンが付き添っている』
『そう…』
リオンはともかく、この姿の自分は、寝所に入れない。
どれだけ『自分はセリアだ』って主張しても、意味はない。
(どうしよう…)
恐らく、リオンの魔法から庇われて、池に落ちた時。
何らかの作用で中身が入れ替わったのだろう。
『ジャ、ジャミル神…!どうしよう…』
『おい、さっきから気持ち悪いな。何だよ?』
『し、信じて貰えるか分かんないけど、実は…』
物凄い形相な上、半泣きで訴えて来て、半ばドン引きしながらも対応するジャミルに、セリアは真実を口にした。