話題:創作小説
こんばんは!
パチパチありがとうございます♪ヽ(´▽`)/
さて、冬のサプライズの後編です。
サイトにも後日アップしますが、少しだけ加筆訂正するかも。
ちょっと直したい…。
でもなぁ、直すと全部直したくなるんだよなぁ( ̄▽ ̄;)
少し考えます★
ではでは、追記よりどうぞ(^◇^)
***
『ん〜!』
数日後の夜。
人払いをし、のんびり読書を楽しんでいたセリア。
ふと、先日の会話を思い出していた。
例の皆が集まる日は、確か今日だった筈だ。
『良いなぁ…』
ポツリと口から零れた。
どれだけ親交があろうとも、人と神の境界線は越えられない。
だから、リオンに休暇の話を振られた時に『のんびりする』などと面白くもない返事しか出来なかった。
実際、のんびりしているから嘘では無いが、マトモな予定の1つも無いつまらない女だと言うのを露呈したみたいで、辛かった。
(お休みが終ってから、皆から話を聞くのも良いよね)
そう暗い考えを振り払いながら、読み終わった本を棚に戻しに行く。
−…カタ、ン。
外から乾いた音が鳴る。
『?』
雨かと思うも、さっき外を覗いた時は晴れていた。
念の為、机に忍ばせている護身用の剣に手を伸ばし、テラスへ向かう。
『まあ!』
ガラス戸を開け、テラスへ出れば見慣れた四人がそこにいた。
『こんばんは、陛下』
『セリアさま!』
『え、どうして…?』
『いえ、何となくですわ』
“何と無く来た”と言いつつ、ティニアの手にはまだ温かい料理があった。
明らかに残り物を持って来たのでは無く、この為に用意したものだ。
アリル以外の面々から挨拶され、驚きつつも中へと促す。
最後に残ったアリルは、他の三人が中に入ったのを見て『ホントは、セリアに会いたくて抜け駆けしようとしたら見つかってね?…ごめんね、急に押しかけて』と、ウインクしながら囁き中へと入って行った。
残されたセリアは、一人盛大に赤面していたのだった。
『あのね、私…。ホントは少しだけ淋しかったの。ありがとう。皆が来てくれて、すっごく嬉しい!』
屈託の無い、満面の笑みで話すセリア。
ジャミルも嬉しそうに、『我らも陛下の笑顔を賜れて幸せです』と返す。
テーブルに、持ち寄った沢山の料理を並べるティニアとリオン。
『でも、事前に皆が来るって分かれば私も料理を作って待ってたのに…』
ポツリと呟く爆弾発言に、女王以外は凍り付く。
皆、彼女の殺人級な料理の腕前は熟知しているので、回避できるのであればそうしたかった。
『へへへへ陛下は何もする必要はありませんよ!なあ、アリル!』
『うーん…。まぁ、料理位はこっちで用意しますよ。お気遣い、ありがとうございます』
視線を泳がせ、人差し指で頬を掻きながらボソリと同意する。
アリル本人からすれば、出来栄え云々よりも『セリアの手料理』は熱望したい所だが(何なら一緒に作りたい)、さすがにこの場で言うのは憚られた。
むぅ、と頬を膨らませながらも、顔は笑いながら『正直ね』とボヤく。
ー…夜はこれから。
この日、女王の私室から笑い声が絶える事は無かった。
それは、冬のサプライズ。
そんな素敵な夜だった。