幼なじみということ
それは相手の一番近くに居れて、
一番仲良しで居れて
それでいて何より
とても残酷なものなのです。
「ごめん絢ちゃん!待った!?」
「遅いよハル、もう通学路誰も歩いてないよ?早く行こ!」
「あ、待ってよ絢ちゃん!絢ちゃーん」
わたしは瀬戸絢香
んで、こっちのちっこいのが幼なじみのハル
わたしが長年片思いし続けてる相手でもある
ハルはおっちょこちょいでどうしようもない奴だけど
くりくりの目とふわふわの栗っ毛がとても似合う
今時の可愛い女の子
「ほんっとに通学路誰も居ないねー何か寂しいなあ」
「だったらいつもギリギリに来るのやめてよね」
「でも絢ちゃんと2人っきりって何か嬉しいの…へへ、また明日もギリギリに来よーと」
「何言ってんの寝坊しないでちゃんと来てよ」
「やーだよ」
そういってハルは愛くるしい顔でくしゃって笑う
そんな些細な仕草でさえも
わたしの胸をつかんで離さない
今だけはハルを一人締め出来てる優越感とちょっとした苦み
結局わたし達は幼なじみであってそれ以上でもそれ以下でもない
わたしがハルの顔をあまりにも直視しすぎたせいか
ハルが心配そうにわたしの顔を伺うように覗きこんできた
たまに見せるハルのお姉さんみたいな顔
性格だって誕生日だってわたしの方が早いはずなのに
たまに見るハルの大人っぽい表情にいつか自分だけ置いて行かれるんじゃないかという思いが身体中に疼いて広がっていく
わたしはたまらなくなって
思わずその小さな身体を抱きしめた
「…絢ちゃん?」
「好きだよハル」
「うん、わたしも大好きだよ」
あぁ、貴女とわたしの好きは同じであって全く違うのに
何て悲しいんだろう
そしたら何故か頬に柔らかい感触を感じた
何だろうと思ってボーとしてるともう一度同じ感触がわたしの頬に触れた
「そんな顔しないでよ絢ちゃん。気付いてたよ絢ちゃんがずっとわたしを好きだったこと」
「え…?」
「ちょっと意地悪しすぎたね。わたし絢ちゃんがわたしだけにたまに見せる泣きそうな顔好きなんだ」
何を言ってるんだろうこの子は
「愛してるよ絢ちゃん」
そういって今度は口付けが頬じゃなくて唇に触れた
その顔がとても愛しかったから
今度はわたしからも 好き が伝わるようにありったけの気持ちをこめて愛しい人の可愛い唇にキスをした
幼なじみってやつも
案外悪くなかったのかもしれません
これから自己満足で小説などupしていきたいと思いますので
よろしくお願いします