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例えばそれが罪だとして


話題:創作小説


「君愛することが」


罪だとしたら、俺はいったいこの世界をどうやって生きていけば良いのだろうか。
あくまで契約に成り立っている俺たちのこの関係は、きっとどんな絆よりも壊れやすく、脆いものだと思う。


「私達はあくまで契約の関係。あなたと本当に結ばれることもきっと、許されないんでしょうね」


アリスが言った。その顔は悲しげで、それでいてひどく美しかった。
アリスの綺麗な金色の髪を一束手にとり、そっと口づける。きっと、この行為も許されない。
俺は彼女の飼い猫として、生きなければならないのだ。これからも、一生。


「ウィン、私はあなたの飼い主。それ以上でもそれ以下でもないわ」
「あぁ、わかっているよアリス。けれど、もし。もし、今だけでも許されるのならーー」


アリスの頭を優しく引き寄せる。

これからも一生、飼い猫として生きなければならないのならば、せめてこの時、この瞬間だけは。


ーー彼女を愛する“一人の男”として、俺は君にこの想いを伝えたい


触れ合った俺とアリスの唇。それは非道く哀しく、虚しいキスだった。




『       』



(例えばそれが罪だとして)



*****

壱さんのお題お借りしました

募集中!


話題:創作仲間募集中!

創作仲間さん募集中です!
まだあまり更新してませんが、これから色々と乗せていく予定です。
皆さんどうか仲良くしてあげてください!

もしもの話


話題:創作小説



「もしもの話だよ」


俺達が出会わなかったらどうする?


そう問いかけるとアリスは表情を変えないまま、さらりと答えた。

「考えたこともないわ」

アリスらしい返答に、俺はついつい笑ってしまった。
そんな俺をじとりと睨んだアリスは、というかと言葉を続けた。


「今更、過去を思い出したくもないわ」
「過去じゃなくて"もしも"、だよ」
「"もしも"も過去も一緒よ」


肩をすくめたアリスに、俺は首を傾げた。
"もしも"は"もしも"で、過去は過去なのに何が一緒なんだろう?

「過去に遡って"もしも"の話をしているんでしょう?なら私にとっては一緒だわ」

あぁ、なるほど。
俺は納得したように頷いた。

「それに、私は"もしも"なんて言葉、嫌いなの」
「過去と一緒だから?」
「それもあるわ。だけど、違う」

あなたが必死に考えてくれたのに悪いけど、と言ったアリスは相変わらず手厳しい。まぁそこが好きなんだけどね。

「"もしも"は有りもしない物を妄想するための言い訳にすぎないわ。ただの現実逃避のための言い訳。現実(いま)を見ない愚か者の言う言葉よ。

私は現実(いま)を見る。だから、私は"もしも"が嫌いなの」
「ははは、アリスらしい答えだよ」

アリスのような現実主義者は果たして世界に何人いるんだろうか?
過去を悔やまないよう生きてきた、現実主義者なアリスの厳しい回答。

その時俺は好奇心をくすぶられた。

「ねぇアリス」

過去が"もしも"と一緒なら、未来も"もしも"と一緒だろう?
ならさ、

「俺とアリスの間に"もしも"子供が産ま――」
「あなたには私が、どこにでもにいる雌猫に見えているのかしら?なら残念ね、私はれっきとした人間よ。良い眼科を紹介するから行ってきなさいな」
「ははは、手厳しいなぁアリスは!まぁそこが好きなんだけどね」
「あら奇遇ね、私もあなたが好きよ。そうね、ゴキブリの次くらいにかしら」
「あははははは!!」


アリスの返答がいちいち面白くて、俺は腹を抱えてその場に倒れ込む。そんな俺を無視してアリスは自分の仕事に戻ってしまった。


一通り、笑い終わって涙を拭く。あぁ、腹が痛い。向こうで仕事するアリスに聞こえないくらいの声量で、俺は呟いた。

「"もしも"」

これが最後の"もしも"。

「"俺がアリスを幸せにできたら"」

どうかこの"もしも"が妄想で終わりませんように――

(もしもの話)

創作童話キャラ

話題:オリキャラ設定


名前:アリス
年齢:不詳(見た目18歳)
性別:女
童話:不思議の国のアリス

皮肉屋でとげのある話し方。若干女王様気質。
死にたがりで自殺しようとしていたが、ひょんなことから不思議の国へ迷い込んでしまう。そこで、死の恐怖を知る。チェシャ猫の助けを借りて、不思議の国を抜け出した。今はチェシャ猫と小さな骨董品店を開いている。
チェシャ猫と契約をして、丈夫で年を取らない体と千里眼を手に入れた。



名前:チェシャ猫(本名はウィンドル)
年齢:不詳(見た目20歳)
性別:男
童話:不思議の国のアリス

不思議の国に住んでいた猫。不思議な力を持っていて、万物の時間を止めることができる。武器は鎖とナイフ。ハートの女王に逆らったために反逆者として能力を封じられた。不思議の国に迷い込んだアリスと契約を交わし、封じられた能力を取り戻し、アリスと共に国を出る。
アリスが何よりも大切で愛している。丈夫で年をとらない体。




二人は両想いだけど、素直になれないアリス。

はじめまして。

はじめまして。凛々(りり)といいます。
オリジナル小説・イラスト、ポケモンの擬人化、たまーに日常。を中心に更新していく予定です。

オリジナル好きさんと仲良くなりたいと思っているので、よろしくお願いします!

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