泊まりに来た訳じゃなかった。
ていうかアポすらとってなかった。



夏は朝寝て昼起きる生活をしています。


8月30日。
午後三時過ぎ。
チャイムの音で目が覚めました。

玄関脇の窓から覗くと、黒月さんの姿。
その時の格好→上:鮪Tシャツ一枚、下:下着
とりあえず着替えるのに必死で、部屋の片付けまで手が回りません。
仕方なくそのまま入れたら、「何があった」と言われました。
…アポくれよ。せめて15分くれ。





黒月さん、寝転がる。
寝に来たんですかあなたは。
部屋の片付けを終え、一緒に寝転がる。
くすぐられる。
拒否る。
くすぐられる。
拒否る。
何となく黒月さんの脇腹に触れる。
黒月さん過剰反応。
おww?これは…!
だがすぐにやり返される。
ぎぶ、ぎぶあっぷ。


だが、黒月さんの弱点を握ったみたいで悪い気はしない。


黒月さん、寝。
米をとぐ。
パソ子いじる。

午後8時すぎ。
選挙速報を見るためにテレビをつけて、ようやく起きる黒月さん。
冷蔵庫の中が空。
二人分のご飯は作れそうにないな…。

黒月「いいよ、俺もう帰るし」
じゃあ失礼して。

この辺で雨について論争。
傘貸すだの、いらないだの、お互い自分のせいで相手に不利益を及ぼすのが本当に嫌。
本当は、貸し借りの関係なしに好意に甘えられる仲がいいんだけど。



鮭のバター焼きと汁物、冷や奴で夕飯。
半分くらい食べた頃、黒月さんがお帰りになるため立ち上がる。
見送るため立ち上がる。







私を見つめる黒月さん。
別れる前キスすることが多いから、それかな、と思った。

でも、違ったの。
強く、強く抱きしめられて。
押しつけるようにキスされて。
唇が離れて、またきつく抱きしめられて。



藍子「…なんか、あった?」

黒月「俺も色々弱ってんだよ…」



そのまま横になって、強く抱きしめられる。

藍子「やっぱり、今日泊まり行こうか…?」

黒月「来んな。つか、こんな姿一晩中見られたくない」



そっか…。
まだ、プライドの方が上なんだな。
黒月さんの格好良いところも、弱いところも、全部受け止めたいのに。
まだ許されないみたいだ。
無力だ、私。
くやしいなあ…。



体勢が辛くて二三度変えてもらう。



寝。




起。

藍子「何時…?」

黒月「十二時半。さすがにもう帰らねえよ(苦笑)」



布団敷きます。

目覚ましかけます。

寝。

ちなみに私の夕飯は放置(笑)





眠れない。
昨日午後三時まで十時間爆睡してたしなー…。
結局、一睡もせず朝が来ました。



雨足は強くなる一方です。



早々に帰られる黒月さん。
結局傘は、私の傘でコンビニまで行って買ってきたのを使うことになりました。





また、来てくれるかな。
もっと頼ってほしいな。
私にできることなんか、全然ないけど。
あなたの為にできることが、一つでもあるなら。