話題:思い出

所用でふと母校のホームページを見た。懐かしい写真や先生の顔写真なんかもあって、あのころの風景が、匂いが、気持ちが、とめどなくあふれてきて、急ぎの作業にも身が入らない。

高校を卒業してもう1年半。
そろそろ大学にも馴染んできて、サークルやバイトに打ち込んだり、早い人は就職のことを考えたり、過去は美しい思い出となってやがて遠くに置き去りにされるのが普通。そんな大学生になっているはずだった。
私は未だに思い出しては胸が締め付けられるほど恋しくなって、人知れず泣いてばっかりいる。小説、漫画、アニメ、映画、高校が舞台にされた作品は無意識に避けてきた。そういうものでもふとした瞬間に思い出してはまた恋しくなって泣いてしまうのをわかっているから。さすがに自分でもおかしいんじゃないかと思う。

あのころから、いつかこの瞬間が取り戻せないものになってしまうとわかっていたから精一杯生きたし、その日々にもう二度と戻れなくなってしまった今が、こんなにも辛いと思ってなかった。

大事だったことや、大切にしてたこと、楽しく生きる方法とかは、新しいことに追われて忙しい日々に全部奪われていった。持っていたはずなのに、なくなってしまったから、それがどんな形でどんな色だったのかも忘れてしまった。そうしてまた知らない間に苦しんで不器用に作り上げたものは脆すぎて壊れていく。

あのときほど輝いてた気持ちや日々はこの先もう訪れないような予感がなんとなくしている。
戻らない日々に、まだ笑顔で手を振ることができないでいる。