大切な人は、私の中に。
たまに、記憶を取り出して眺めてみる。
私は大切な人こそ、過去にする。
現在よりも、未来よりも、
記憶が好き。
こっそりと、あなたを想う幸せ。
あなたは、私がどんなにあなたを大切なのか知らない。
ささやかな優越感。
一種の自慰かしらね。
いつも、妄想するの
私が目を瞑って、
暫くして目を開けて、
そうしたら窓の外には
魚が泳いでるかもしれない
人が滅亡しているかもしれない
もしかしたら、ベランダや隣の家を蔦が生い茂っているとか、
腐乱死体が落っこちてくるかもしれないし、
殺人犯が私を見つめているかもしれない
大量のひよこが死んでいて、鳥が食べに来ているかも
椿の花が部屋一面中に広がっているかも
薔薇が地球の全てを覆って、匂いで死ねるかも
実は私、空の上で、
落下して、落下して、落下して、死ぬまで落下し続けたら、どうしよう!
どんなどうしようもないことを考えても、未来は未来のまま
妄想はそのまま
現実はいつだって私に張り付いて
私は、
私は、