スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

見ざる 言わざる

耳を塞いで 目を閉じて
最初に思い浮かんだものが人生だ

誰かのコトヅテの意味はひどく曖昧で
だが忘れることができなかった


『宙に浮いた真っ赤な林檎を
細いワイヤーが貫いた』映像

僕の人生はそこから始まり
ある日一本のナイフが刺さった

毎月増える ナイフ
毎週 増えるナイフ

抜いてみようとは思わなかった
手を伸ばせば触れる距離
しかし僕の白昼夢なのだ

芯も刔れた林檎が揺れる線の上
僕の傷んだ人生もゆれる
鮮烈な色だけが変わらず
心臓の様だった

何十本の痛みを抱えた
僕の内臓

もしこれが人生だと言うのなら
十代には少し酷じゃないか
幸い健康には影響がない
この林檎が落ちたとき
事故にでも遭うのだろうか

堕ちるときは近い

明日かもしれない
今晩かもしれない
昼食後の授業を聞きながら
そんなことを考えた


『誰か』名前も顔も思い出せないけど
コトヅテは僕を縛った
夢中にさせたと言ってもいい

暇な授業の時間は埋まり
登下校も、家での時間も
怒号を聞く時間も埋まった

毎日、日がな、
刺さったナイフを数えた
いつ割れるかという心配と
育っているかの様な変化を喜ぶ心と
奇妙な感覚だった


0時半
父の振るった酒瓶に母があたった
とばっちりで破片が右瞼を掠めた瞬間
目の奥がカラン、と音を立てた

散らばったナイフの上に肉塊の様に
原形を留めず落ちていたソレ
既に林檎でなく、
物体とも呼べない代物で
時間を注いでいたわりに
呆気ない最後だった
これが僕の人生なのだと。

眼前が明滅した
吐き気もした

ズキズキにあわせて目を閉じたら
ワイヤーすらなくなった空間が
寂しくて仕方がなかった


何もなくなった空間に
朝日と病院の白い壁は眩しすぎた
それ以外は普段通りで
前が見づらいのもさほど
気にならなかった

板書も写さず
白昼夢の代わりに外を見た
どっちもそっちも真っ白で
何もない
経歴も、両親も、
興味も、友人も、感情も、
林檎を見つめた時間すら
元よりなかったのかもしれない
残ったものは包帯と命くらい


「死んだ後の話。聞きたい?」


白い空間に声がする
後頭部のずっと後で
囁くように

返事の代わりに背筋を伸ばして
ひどく曖昧な覚悟をしたら
聞かざるをえない








9月に書いていた詩をやっと。
詩…なのか?

相談ごと

春「くあ?どーしたの?入って入って!」

紅「うん、ちょっと…お邪魔します」

春「またリクさんにやらしいことされたの?!許せない!!」

紅「え…」

春「え?…」

中「スズどうしたの?深夜だよ」

春「アタルー!くあが汚れる〜おれのくあがぁ〜!!」

紅「けが…?!」

中「ハイハイ。取り合えずコーラでいい?」

紅「う、うん。ありがとう…」

春「くあ大丈夫?!体洗う??おれ洗ってあげる!」

紅「いや、何もされてないから…今日は相談があって」

春「ウソだー!」

中「ウルサイ。で、こんな遅くに相談て?」

紅「あ、うん…昨日六路と、子供がおつかいする番組見てて、そしたら」



六「めっちゃカワイくね?」

紅「六路子供好きなのか」

六「あと5年経てばなぁ」



春「それってダメなの?」

紅「うーん…5年経っても10歳いかないような子供にこの言い方って」

中「黒だね」

春「くろ?」

中「犯罪ってこと」

紅「だよな…いや俺の勘違いだったらよかったんだけど」
中「相談ってそれ?」

紅「うん…六路の行動力を考えるとどうにかしないとと思って」

中「考えすぎ…て言いたいのは山々だけど、確かに元々犯罪臭いしね」

紅「いや元々は言ってない…;」

春「えーほっとけばいーじゃん。趣味は人それぞれだし!」

中「エンコーて言葉知ってる?」

春「おれ達も未成年だよ?」

中「まさかやってないよね」

春「……う、うんやってないに決まってんじゃん!」

中「ならいいよ」

春「う、ん」

紅「やっぱり考えすぎかな、」

中「心配して越したことはないと思うけどスズが疲れちゃうよ。久保原ああ見えて警察沙汰なったことないし(上手くごまかしてるだけだけど)」

紅「そ、そうだよな。ごめん、帰りに小学生と話しててまだ帰って来ないからなんか、考えが先走って…六路と知り会って結構経つんだからもう少し信用しないと…」

中「……」

春「……クロ!」

紅「え?」





次の日何食わぬ顔で朝帰りした六路を問い詰めたら


六「小学生?あー夕方カード交換した奴ら コンビニでダベッてたら塾あるって帰られた(笑)最近の小学生って大変ね」


取り合えず俺の気にしすぎだったみたいでよかった。

屋上にて

ショート・ショート
肩重い系男子と頭軽い系男子




「はぁ」

「またため息シアワセ逃げるよ」

「違う、これは
背中、つか肩?に溜まった重りを少し吐き出してんのー」

「なにそれ
じぃさんでも乗っかってんの?」

「えーないない
うちのじぃちゃん元気だもん、
ない?疲れたりすると」

「んーよくわかんねーけどさぁ
それホントに軽くなってんの?」

「わからん…けど心なしか軽くなったようなきがしないでもない」

「なんじゃそりゃー
だったらさ吐き出さないで…スタンダップ」

「?」

「後ろ向いてー体ごと」

「なに?笑」

「背中を合わせて〜、こー!」ぐい

「ぅわっ?!
…なにこれ、準備運動?」

「こーしたほうが軽くならん?
空も見れるし」

「ちょっとこえぇかも笑」

「力入ってっからだよ
ほーら俺にすべてをまかせてみ!笑」

「任せる、ね…
それが1番こええかも」

「なんだとー」

「ウソウソ
あー確かにこっちのが気持ちいいわ
エビ反りに慣れてきたらよく寝れそー」

「寝んな
はい交代ー次おまえ下なー」

「もうちょい
あとちょっとだけ」

「えぇーじゃあちょっとだけな」

「おう」





肩以外のなにかが軽くなった
…きがしないでもない

ヘッドフォン

隠して 隠さないで
泣いて 泣かないで
そんな両極端を鳴らす
僕の命綱。

洗礼されたことなんて
一度も言ってくれやしないが
愛だの夢だの歌った
十人十色を聞き流して
流れた分だけ
僕の空いた穴に落ちていく。

満ちることなく
僕を流れる言葉の川は
誰かの肉声
出会ったこともない他人の決意を
垂れ流して
ただ僕の代わりに
"人間"というものを構築再生

狭い部屋から出ない僕は
こうして一つ、人になる





久々に即興詩

童貞くんとエロ実習

※PASSはトップページ「PASSについて」にあります

前の記事へ 次の記事へ