異常な朝

抱き締められたとき私の体が熱いと言われてふと思い出した。この人は冷え症だと。冷たい手足が気持ちよかったのは言うまでもない。

一月会わなくて、このまま帰ってしまえばとか前向きにとか考えられたのに、連絡が来てしまえば尻尾ふって会いに行く。断ることができない。
動物園デート、検討中らしいけど。一緒にオオサンショウウオが見たいのは変わらない。

会わずに帰ろうと思ってたのになあ。

一旦落ち着いてみようかと。目的を決めて、整理して。何となくわかったような気がしているから。
あの人を想い続けて意味はないけど、昔のように前向きになれないけど、きらきら女子になれないけど、何とか自分を支えられるんじゃないかと。

今はまだ誰にも会えないし、見ず知らずの他人ですら顔を見るのは困難で、こうして非生産的な生活をする他に何も思い浮かばないのだけど、そのうちどうにか手繰り寄せて生きる術を身につけることができるんじゃないかなと。
と、そんな甘いことを考えてるこの頃。

少し離れてみたかったんだけど、離れたらもう戻れなくて、今までどうやって人と関わってきたのか全くわからなくなった。

それでも少しくらい、私がここにいてもいいと思いたい。