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短編小説 『カゲロウ達の旋律』1

 一時の命の、カゲロウの様な僕達人間……。
僕はそんな人間達に疑問を持っていた。
カゲロウとは、トンボに似た、卵をうむと数時間で死んでしまう虫だ。
そんなカゲロウの様な僕達人間は、生きている間過ちを繰り返したり、恋愛をしたり、楽しんだり――…。

そんな事、僕は命のはかなさを知った時から“当たり前”な事が楽しめなくなった。
交通事故で親が目の前で死んだ時、僕が見える世界は歪んでしまったのだ。

そんな事を思いながら、夕日の茜色に染まる通学路を通って下校をしていると、

「朽ちる事は、悲しい事じゃないわ」

電柱の上から、女性の声が聞こえた。
頭上を見上げると、短く黒い髪を茜色に染まらせ、穏やかに笑い、僕を見下ろした。

「あなたは聞こえるかしら?カゲロウ達の旋律を……」


僕の歪んだ世界は、新たな歪みをみせると、一瞬、僕の頭の中で一匹の蝶が、りんぷんを撒き散らし、飛んでいった。

光を残して。
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短編小説 『恋する人形』

ある日、人形は幼い女の子に捨てられた。
その人形の姿は少女を象った姿をしていた。

人形は忘れ去られ、やがてほこりを被った姿で見つかり、あげくのはてには『いらない』と言われた。
そしてその結果、人形が捨てられたのだ。

その日の朝、人形はゴミ置き場で、元持ち主の子供に捨てられた事がショックで泣き続けていた。

だが人形は魂を持ちながら、動く事も出来ず、感情を顔に出す事も許されない。人形は、心で涙を流し、泣いていたのだ。

ふと、ゴミ置き場の側の道路から、低音の車のエンジン音が人形の耳に入った。
だが、人形の耳に音が入っていても、人形は気にせず泣き続けていた。

すると、無表情でしくしくと泣いている人形の身体が、上半身を掴まれ、足が宙ぶらりんになった。

人形は、自分の視界に勝手に入る映像に、目を疑った。
なんと、作業服を着た若い青年が自分の身体を持っているじゃないか!
人形はそう思うと、何故だか胸の奥が跳ね上がる感覚に戸惑いつつも、ときめきという物を感じた。

青年は人形を片手に持ちながら、もう一つの空いた手で、ゴミ袋を収集車に放り投げている。
汗ばみながら仕事に励む青年を見ている人形は、初めて出会う自分でも自覚していない感情、恋心で人形は捨てられたショックを忘れ、青年を見つめ、ただただ恋い焦がれるだけだった。

すると、人形は身体がだんだんと熱くなっていた。
人形は、ただただぼんやりと見える青年を見つめているだけだった。


……熱い。
熱い…熱い…。
何故こんなに熱いのかしら?
だけど…あなたを想うと胸の内が熱くなる。

あなたを想ってこんなに熱いのかしら?
周りが真っ赤だわ!
これは……情熱?

あなたを想ってこんなに熱いのね!
………。

違う。

だけど……。


あ な た を 想 っ て 焼 け る な ら 、 そ れ で い い。



さようなら。
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創作ブログはじめました。

今回創作ブログをはじめました。
雨蛙です!
主にファンタジー小説を書いております。

今思い返せば小説書きはじめて四年、三年前から色々調べたりして文才向上に向け頑張ってます。

このブログは私の小説を公開、設定やら奮闘記なんか公開していきます!
…関係ない事も書いたり。

他作品の小説も書いたり。


素人で、しかも趣味で小説を書いておりますが、よろしくお願いします!
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