だい太が彼女と別れた。
だい太の初の彼女である
『ゆか』と
とうとう決別の時が来た様だ。
それは私が待ち望んだこと…
そもそも『ゆか』が
何かしら嫌なことがあると
会ったことも無いだい太に
『死にたい死にたい』と連発していることは
しょう太を通じて知っていた。
私はそれを知ってから
だい太が『ゆか』と付き合う事を
反対していた。
そんな夏休みの後半に
だい太が『ゆか』と会うと言う。
待ちに待った?ご対面である。
だい太は『ゆか』へのプレゼントを持ち
緊張した表情で待ち合わせの場所へと向かった。
夕方になり
帰宅しただい太は
なんとなく…すっきりしない顔で
私に言った。
だい太:「やぱ、会った後って…これからどうなるのかな?とか不安になるよな…」
と…
そのうち『ゆか』からメールが来た。
『私たち…もうダメだね。』と…
だい太は「何故?」と聞き返す。
すると『ゆか』は
『もう…無理。』
とか、失礼な返信を返してきた。
私はだい太に
もう、ゆかと付き合うのはやめる様にすすめたが…
だい太はまだ目を覚まさない。
別れるだの別れないだの…
メールを繰り返していた。
すると
どこらへんからか?
『やっぱりやり直そう』
『ゆか』が言ってきたらしい。
二人は復活し
また、メール三昧なだい太が始まっていた。
ところが…
今になって知った真実…
『ゆか』は…
毎日毎日、暇さえあると
『だい太くん、私より可愛い子と付き合ったら?私はブスだし。』
このメールにだい太いつも
「そんなことないよ。ゆかだけを想ってるから。」
と…
ところが…この言葉に『ゆか』は全然満足せず
だい太の言葉を否定し続けた。
流石にだい太に限界の時が来た様だ。
だい太から私に打ち明けてきた。
だい太:「お母さん…オレ、やっぱり…じゅりあちゃんを諦めない」
だい太が小学生の頃に好きだった同級生の名前が出てきた。
私が『ゆかは?』と聞き返すと
だい太:「オレ、もう疲れた。
毎日毎日夜中の一時頃まで
私は可愛くないから、他の子がいいじゃない?
こればっか。
そんなことないよ。ゆかだけ好きだよ。と言っても
全て否定するし。
この間、ご対面したときも
オレが話題を持ちかけても
首をひねるばっかでさ
うんともすんとも言わないし…
色々話題を振っても
首をひねってばっかで…
何も答えないくせに
私より可愛い子と付き合った方がいいんじゃない?
だけは言う口あるし。
もう、オレ、流石に限界だわ。」
だい太が言った。
私は…
『ゆか』とだい太の決別を
喜ばずには居られない。
胸が弾んだ。
「じゅりあがいいよ。
じゅりあだったら応援してあげる。」
そんな言葉が自然に唇からこぼれる。
でも…
でも…何故だろう。
なんとなくすっきりしない。
心の奥に何かがつっかえていて
晴れ晴れとしない。
いや、これで良いんだ。
これでいいんだよね。
。
そんなだい太は