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*卒業B*

一ヶ月後、私はどうにか第一志望の大学に合格した。


だが潜在意識とは恐ろしいもので、合格発表を見た日の夜の夢には<彼女>が出てきた。忘れるな、とでも言うように。


次の朝、私は一枚のメモを書いた。


それから2週間経ち、再び学校に行く日が来てしまった。

<彼女>の顔を見て心をざわめかせる。

送別会が午前で終わり、午後は卒業式の予行だ。

私も周りの友人も多くが進路は決まっているなか、私は何故だかわからない孤立を感じながらホールに向かう。
ふと、自分一人カーディガンの上に何も着ずに歩いていることに気付き、友人に先に行くよう言ってから教室に走った。

教室に近づくと、何やら話し声がする。



まだ人がいるようだ。

入って行くと、<彼女>がいた。

「あ、まだ居たん…」

途中で口を噤んだのは、<彼女>と話をしていた存在に気づいたからだ。
もう一人のその子は私を、いかにも関係のない人物を見る目で見た。

私は急に嫌な気がして、ジャケットを掴むと着もせず教室を飛び出した。

ホールに着いて胸を押さえていると、隣の席の子が「大丈夫?」と訊いてきた。

うん大丈夫。身体はね。



予行は無事終了し、さっき私を一瞥した例の子と教室に帰る<彼女>をチラチラ見ながら私も教室に帰った。

その日も<彼女>と話すことはないまま帰途についた。


寝る前ベッドの上で、私はやたらと深呼吸を繰り返していた。



次の日の朝は、肌寒かったがよく晴れていた。青い空に、雲が筆で書いたようにたなびいているのを見上げた。
こうして制服を着るのも、電車に乗ってこんなところまで来るのも最後かと、一々しんみりしていた。


学校に着くと、既にあちこちで別れを惜しむようにお喋りの輪ができていた。私も皆と話したり笑ったりして気持ちを紛らわした。

式典中、卒業証書授与の時に名前を呼ばれ「はい」と、いつもより低い声で返事をして証書を受け取った<彼女>が、舞台上のライトでより綺麗に見えた。少し切ったらしく、首筋で揃った茶色い髪がさらりと揺れていた。


その後はうつらうつらしたり立ち上がって歌を歌ったりした。


卒業生の代表が答辞を読んでいる時、後方からやたらと鼻をすする音が聞こえるので、皆つらそうだな、花粉症の季節だもんなー、などと呑気に思っていたが、暫くして泣いていることに気付いた。

思えば6年間お世話になった学校である。感極まって泣くのは当然だ。


私は涙が出ない質なので泣けなかったのである。


式が終わり、二時間ぶりに外に出て写真撮影の場に移動する時にちらと<彼女>を見ると、泣いていなかった。泣く所見たかったのに。




教室に戻ると、いつもは鬼女のような担任が明らかに泣いた後の顔で待っていて、可笑しかった。

謝恩会も、色々な先生と話すことができて楽しかったし、大いに盛り上がった。


謝恩会が終わると自由時間で、生徒は残って記念撮影をしたり、お喋りに興じたりすることができた。私も友達の輪に入り、学校での最後の時を楽しんだ。そうしながらも、私は横目で伺う。

<彼女>の姿を。

今は<彼女>も色々な友達と写真を撮りながら、穏やかな声で笑ったりしている。

今だ。そう思っても、足を踏み出せない。

初恋の中学生かよ、と自嘲したが、6年間女子校で初めて好きになったのが<彼女>の私は結局彼らと同じようなものなのだ。


<彼女>と他の子達との会話が途切れたのを見計らって近づき声を掛けようとした、



「ここにいたの?」


横から大きな声でそう言って入ってきたのは<彼女>と一番仲の良い、その子だ。

そして<彼女>の腕にしがみつき、知らない風を装ってちらりと私を見た。



その顔を見て、ああ、と私は思った。


こいつは知っていたんだ、何もかも。


そして何もかも無駄であることも悟った。


私はそっとポケットに手を伸ばし、畳んであったメモ用紙を握りつぶした。






校舎から出て見上げた空は既に薄く橙色に染まっていた。

一緒に帰ることにした友人達と、夕日をバックに写真を撮ろうではないか、ということになった。




シャッター係になった私はちょうどいい位置にカメラを置き、シャッターを押そうとした。

その時ファインダーが離れた所を歩く<彼女>を捉えた。

うつむき加減に歩く横顔は微笑っているようにも見え、片頬に夕日が差していて、今までで一番美しいのではないかと思った。


でも、それだけだ。

私はこの学校を卒業した。それと同時に、この気持ちとも決別した。

今はまだそう言い切れる自信はないけれど、日が経てばそうなるだろう。


「何やってんだよーう」
「日が暮れちまうよ!」

友人の叫ぶ声やそれに続くゲラゲラ笑いで我に帰った私は、シャッターボタンを押して、急いで仲間のもとへ走った。



Fin.






卒業シーズンということで、百合小説一本目は卒業をテーマに書きました。

というか半分実話なんですけどね。

私小説みたいな感じです。

どこまで実話でどこから創作かはご想像にお任せします。



つまらなくてごめん寝m(__)m

…ごめんなさい。


超絶つまらん小説ですが、勉強中ですので、批判のコメントはよしてください…。
読んでくださり、ありがとうございました(^o^)





*卒業A*

あまり有名ではないし、およそ周りには好きな人などいそうにもないバンドなだけに、持ち主には親しみを覚えた。


持ち主が丁度教室に入ってきて席に座ろうとしたので、私は思いきって話しかけてみた。私にしては珍しいことである。
「それってザ・バスフロッグス…?」

持ち主はぱっと顔を上げ、暫し私の顔を伺ってから、『え、知ってるの?』と勢いこんで尋ねてきた。「うん。好きだよ」と返すと『えー!バスフロ好きなんだ、意外だね』と、いやいやどちらが、と言いたくなるような台詞が返ってきた。それから二言三言、どの曲が好きなの、なんて話をして、私は次の授業のある教室に行った。


窓から入る光に照らされたどこまでも白い顔と、あまり高くない柔らかな声が、授業中もしばらく私の頭に残っていた。



その授業から帰ってきた後、異変が起きた。
それからの私は気付くと<彼女>を見ていた。
私が見る<彼女>は、穏やかな顔をして一人で座っているか、そうでなければ誰かと、大抵はある一人の友達と談笑していた。談笑と言っても彼女はいつも聞き役で、相槌を打ったり或いは優しい声で、色素の薄い茶色い髪を揺らして笑っていることがほとんどだった。ちょっと意思が弱いようにも見えたが、そこが私の心を益々くすぐった。いつもの嗜虐癖である。



私があの薄い彼女の肩を壁に叩きつけ、細い腕を身体ごと押さえつけたら。
息もかからぬばかりに顔を寄せ、睨み付けたら。
彼女はどんな表情をするだろう。
きっと私や、これからされることへの恐怖を細面の顔にいっぱいに滲ませて、私の目を見るに違いない。それとも、顔を背けるだろうか。

勿論、本当にそんな行動に走るつもりはなかった。私は学校では(知っている人は知っていたが)概ね真面目な子と思われているようだったし、彼女とはちょっと音楽の話題で言葉を交わした、それだけの関係だったから。

だが、夏休みは彼女の顔を見たくて仕方なかったし、夏休みが明けて学校に行けばやはり彼女のことばかり見ていた。細いわりに丈夫な彼女は、体育のトラック3周もよくさぼらず走っていた。半袖短パンで汗をかいて走る彼女を見るのもひとつの楽しみだった。
秋から冬には、黒いタイツの下に隠れた生白い脚を想像するだけで欲情した。

それだけ頭の中は彼女に奪われていても、私にできるのは眺めることと、たまにきっかけを見つけて話し掛けることくらいだった。




たまに私が話し掛けると、<彼女>は必ず笑顔で答えてくれた。戸惑いの色が見えないでもなかったが。
きっと私があまり人に自分から話すタイプでないことをわかっていたのだろう。

そのことは感じながらも、私は話しかけた。<彼女>に、私の目を見て笑って欲しくて。

心の底に燃えるようなものを感じながら、表面はただ仲良くなりたいだけのように振る舞っていた。


だが<彼女>には横にいつもぴったりとくっついている友達が一人いた。本当に、学校では他の入る隙が無いくらいにいつも一緒にいた。二人がただの友達かそうでないかは知る由もなかったが、とにかく私が<彼女>とこれ以上仲良くなるのは無理だ、とある時悟った。



それからは私から<彼女>に話しかけることはなくなった。

相変わらず気持ちは変わらないが、これ以上何しても無駄だと、辛いだけだと思えて。

所詮私は腰抜けだ。肝心なところで、歩みが止まってしまう。



1月。ちょうど、受験生である三年生は、自宅学習期間に突入しようとしていた。

これを機に、と思った。これを機に、<彼女>への思いは忘れてしまえ。

そして完全なる「受験生」と化した私は<彼女>を忘れたい一心で勉強に打ち込んだ。

*卒業@*

暇になったので、小説に手をだしてみました。てへぺろ☆


これから書く話について注意書き。
※主人公の独白
※途中から主人公がキモい
※山なしオチなし意味なし。まじで。

あっあと私の書く小説はおそらく全て百合です。苦手な方はご注意下さい。


↑こんな感じでよろしければ、どうぞ…。






【卒業】



制服のジャケットをとりに教室に帰り、戻った私が飛び込んだホールには、いつもよりほんの少し緊張感が漂っていた。明日の式のリハーサルのためだ。

そう、私たちは明日、卒業する。
とうとうこの温室のような学校から巣立ち、めいめいの道に自ら進んでゆくのだろう。そんな周りの空気の中で取り残された心持ちがしているのは私だけなのだろうか。それとも、皆そう感じているだろうか。


後ろから笑い声が聞こえてくる。
瞬間心が粟立ち、その声に釘付けになる。


この声の主である<彼女>が、私をこの学校に縛りつけて離してくれない。

<彼女>と出会ったのは、昨年の5月。いや、勿論今年度は4月始まりだし、実を言うと二年の頃もクラスは同じだったのだが、何しろ影が薄く、色が白い以外に印象に残る部分がなかったから大して意識したこともなかったのである。

風薫る、と人の言う通り、太陽に暖められた草いきれの混じった風が開けた窓から入り、その風に体育の後の汗を乾かしながら着替えをしていた。
着替えを終えてふと前方を見た私の目に、見覚えのあるCDが飛び込んだ。私の好きなロックバンドのCDだった。

明日、塾の友達と遊ぶの。あの人にも会うのです。



楽しみ。

つかの間の

こんにちはー。

この間スマホにしまして、まだ慣れません。メールとかもめっちゃ時間かかりますが、頑張ります!(・ω・´)


3月1日に、高校を卒業しました。

特に三年になってからは、ずっと面倒だと思い続けて通ってきた学校でしたが、卒業式の時すら涙も出ませんでしたが、卒業して何日かして、学校のことをふと考えたとき、あ、もうあの学校行かないんだと思って、心がすかすかする感じを初めて覚えた。



さっきから誤作動ばっかりしてものすごっくイライラさせられる。




またあの学校行くことあるかしら。




少し寂しいけれど、今高校の友達とも塾の友達とも遊ぶ計画が持ちあがっているのでわくわくしてます。


塾の友達と遊ぶのは、あの子も一緒ですよ( ̄∇ ̄*)ゞ



アド街が始まってるので、ではまた!

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