自分捜索

病み百合創作。


















好きだよ。
好き。
あなたが好き。

だから、



「殺したくなるの」

「どうしてそうなった」

「うーん……分かんない。ただそう思っただけ」

「……私を殺したいの？」

「うん。」

「なんで？」


「だって今千草が死んだらわたしを好きなままなんだよ？永遠なんだよ？気持ちが薄れることもなく離れることもなくずっとずっとわたしを好きなままなんだよ。それって素敵じゃない？わたしに触れてくれたり話してくれたり名前呼んでくれなくなるけど、わたし以外も呼ばないし話さないし見ないし誰にも千草を盗られない、ああやっぱり素敵だよ！ずっとわたしの千草でいるんだよ！」

「…………そうだね」

「愛してる。愛してる千草。だから」


わたしに殺されて。



そう泣きながら笑いながら言う永遠音が愛しくて綺麗で抱き締めた腕を解くことなんてできなかった。ああごめん、ごめんね永遠音。あなたをここまで壊してしまったのは私だ。他の誰でもない私自身だ。

だって私以外が永遠音を壊していいわけがないじゃないか。

そう思ってしまう時点で私も壊れているんだ。愛してる愛してる私だけの永遠音！私もあなたを殺してしまいたい誰にも見せず誰も見ることのないように私だけが永遠音の全てになるように！
けれどあなたが望むなら、私はあなたに殺されたって構わない。そしてあなたが死ぬまで私を愛したままでいて。


「……いいよ、殺してよ永遠音」

さあ私を愛して。




歪な愛


「千草を殺してわたしも死ぬ」「言うと思った」
そして私達は笑い合う。

どうすれば私だけを見てくれるかどうすれば私だけを好きでいてくれるかどうすれば私だけ愛してくれるかどうすれば私だけに依存してくれるかどうすれば盲目なまでに私を想ってくれるかどうすれば傍にいてくれるか。

簡単だね。
とても簡単だ。
私はいつだってそうしたかった。
そうしたいと思ったのは君だけだ。
さぁ、さぁ！！


「おいで、私のお姫様」


殺したい程、愛してる!
愛してる愛してるわだから私に殺されて私だけを見るように貴方の瞳をちょうだい愛してる。

「愛してる」

「愛してる」

「愛してるわ」

「キミを愛してる」




「愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるあ い し て る 」


「………………ねえ」

「？」

「なんで、そのカバンに、話しかけて、るの？」


「………ふっ」



「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはっははは！！………………………………はぁ……」

「この中にはね」





「世界で一番愛しいあの娘が入ってるのよ！！」






愛し過ぎた少女の話

「人の気持ちは移ろいゆくものね」

「私の気持ちもアナタの気持ちも」

「いつかは離れてしまうんだわ」

「私はこんなにもアナタを愛してるのに」

「アナタもそう言ってくれたわよね」

「なのにアナタは言わなくなったわ」

「移ろいだの？」

「私をもう愛してないの？」

「私はこんなにもアナタを愛してるのに」

「…ねえ」

「もう、お昼寝は無しよ。早く起きて質問に答えて」

「狸寝入りはイヤよ」

「 ね え 」




「………………あら」

「どうしてアナタは真っ赤なの？」

「もう、早く 起きて よ」






ある少女の奇行の話