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証を刻む[6]
07/12/19 13:18 Wed

>>[6]



「…?あぁ!違うんだこれは……」

「なんでッ!」


冬獅郎が激怒している理由にやっと合点がいった  は事情を説明しようと試みたが、既に彼の耳にはこちらの声が届いていない様だった。


「なんで、俺じゃ駄目なんだ…!俺がどうしようもない位餓鬼だからか?それとも、自分より背の低い奴は男として見れないか?そんな事っ―――――……」


悲しみを押し殺した声。

震えは声だけに留まらず、全身に伝染していく。

彼の華奢な身体は、いつもより更に細く小さく見えた。


「そんな事、俺だって分かってる!俺がどんなに子供で、  とは釣り合ってないんだって事…っ!」


ぽろり。

翡翠から、重力に耐え切れなくなった銀の雫が零れ落ちる。

ぽろり。ぽろり。

一度許してしまえば、もう止める事は叶わず、次々と溢れ出ては冬獅郎の頬を滑り落ちて行く。


「俺…早く大人になるから……  と釣り合う位に大人になるから……。背だって毎日牛乳飲んで、  を追い越す位大きくなってやる。だから―――――……っ!」


彼は視界を揺らめかせている物を、ぐいっと死覇装の袖で拭い去ると、強い光を放つ瞳で  を見据えた。



「だから、待っててくれよ!傍に居てくれよ!……他の奴のモノなんかになるなよ…っ!!」



「シロ……」



プライドが高くクールな普段の彼からは想像が出来ない程、情熱的で真っ直ぐにぶつけられる激情。

揺ぎ無い感情を秘めた翡翠の瞳に釘付けになる。

そして、実感する。


自惚れなどではなく、自分は本気で彼に愛されているのだと。


あぁ、どうしてこの子は、こんなにも愛おしいのか。

その穢れを知らない清廉な瞳が、心が、魂が……こんなにも、自分を惹き付けてやまない。


可愛い子の柔らかな銀髪へと、そっと手を伸ばす。

自分が持ち得る限りの、ありったけの愛しさを込めて。

が、それは逆に伸びてきた彼の手によって捕らえられてしまった。

それも指が食い込みそうな程、強い力で。


「………さない…」

「…?シ……Σッ!?」


その瞬間、物凄い速さで景色が横に流れて行く。

どこかに連れて行かれるのだ、と認識するまでに少々時間が掛かった。

  を引きずる様にして瞬歩で移動していた冬獅郎は、ある部屋の前まで来ると漸く足を止めた。

乱暴に襖を開くと  を中へと押し込み、自分も中に入るとまた荒々しく襖を閉める。

  の連れて来られた場所は、広いが必要最低限のものしか置いておらず、些か殺風景にも感じられる様な部屋だった。

中は機能的にきちんと整理整頓されていて、主の性格が窺える。

状況から察するに、ここが冬獅郎の私室である事は、想像に難くない。


「シロ……?」


部屋に入ってからまだ一言も発していない冬獅郎を訝しく思い、顔を覗き込もうと腰を屈めた時、今度は景色が反転した。

視界に広がるのは、少し古ぼけた天井と思い詰めた表情の愛しい子の顔。

押し倒されたのだと、頭の隅でぼんやりと考える。

未だに強く捕まれたままの腕が、じんと痛んだ。



「  は……誰にも、渡さない……っ」



 
 


>>To Be Continued



いよいよ明日はシロの誕生日ですね!!
この夢の続き(エロ〜最後まで)は、明日サイトのUndergroundにupしたいと思います。
何だか気合入れて書こう!とか思ってたら、無駄に長くなってしまった…Uu
自分的萌えを、入れられるだけ詰め込んでやろうとするのがいけないんですかね?(この変態が)
しかも、時間掛けて書いた割には、何だこの駄文は!?って感じに(最早救いようがない)
誰かクリスマスプレゼントに文才を下さい(無理)


 

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