話題:ちゅう、ちゅー


たくさん、たくさん、キスをした。

初体験みたいに目を瞑ってたのは
なんでだろう?
彼がきれいすぎて
恥ずかしかったから?

それでも、見とれてた彼の顔が
目の前にあって鼻がぶつかって
舌を絡め合ってることに
ドキドキして蕩けそうになってた。



翌朝。

寝顔がきれいで
彼が目覚めるまで横顔をじっと見てた。

私はずっと見てたのに
いざ彼が目を開けると
自分に自信がなくて
見ていられない。

寒くない?って声かけたら
んん〜って言いながら
私の胸元にすり寄ってくるから
ぎこちなく腕枕をした。

途端に2人とも照れくさくなって
ふふふって笑って離れる。

その瞬間が、甘くて懐かしい。

改めて、まだ少し眠さが加えられた、
その端正な顔で彼が
ニッと口角を上げた。

ちゅ。

『おはよ』
「おはよ…//
  朝になって、誰?って聞かれたら
  どうしようかと思った」
『そんな酔っ払ってるように見えた?』

次の日になっても
ちゅー、してくれるんだ。

お願い。お願いだから、
しょぼんってして見せないで。

朝なのに、時間がないのに、
胸がキュッてなるから。

「行くの面倒になってきた」
『やめちゃえば?寝てようよ』

それは甘すぎる誘惑。
そんな休日の朝もいいかなって
もうほとんど気持ちが傾いた。

でも、今日はだめなの。
また今度。


今度は…ある?