(旧)探求日和

【宇宙/創世史. 第三,前4/3:1-5】:世界観
2014.6.16 21:13
4/3:1
第二創世史が終わりを迎えてから,
気が遠くなる程の永い年月が経つ日

宇宙は無限大の惑星達が軌道に沿い,
エネルギー体のみの恒星となった太陽を
中心に廻って居た

太陽惑星が爆発した後,その剥がれた
惑星の欠片達が永い年月を掛けながら,
一つ々々の小さな惑星へと形容を変えて
行った

その中で第三創造主は二人揃って眠りに
ついて居り,太陽の大地は二人の眠る場所に
だけしか残されて居なかった

そんなある日,第三創造主の一人の
白き創造主は静かに目覚めたのだ

そして己の腕で抱きしめて居た眠りの
黒き女を優しく揺さぶり,黒き創造主の
緩やかな目覚めの姿に身を震わす

微笑み合う二人の前に,二人の男女やその
従者達が現れては皆頭を垂れ,二人に
こう告げたのだ

新たな物語が始まりました,我等が
創造主様方---------------…

4/3:2
黒き創造主と白き創造主は太陽に一番近い
惑星に一つの世界を創り上げ,創造主達は
その聖地を拠点にした

聖地には様々な命を創り上げ,その従者と共に
皆に役割を与え,二人の創造主は聖地を
素晴らしく循環させて行った

黒き創造主と白き創造主はこの上無く
仲の良い姉弟として,何時も側に居り,
その中でも白き創造主は,姉の黒き創造主に
かなり執心で在った

ある日,黒き創造主は白き創造主と共に
この地を一度離れる事を決め,全ての従者を
酷く驚かした

黒き創造主は述べた,太陽の周りに散らばる
何も無い惑星達に命を吹き込ませ,そして
宇宙全体を潤わす強い望みが有ったのだが,
それを聞いた従者達は皆,猛反対した

それでも諦める事は無い黒き創造主と
そんな姉を守る白き創造主に,黒き男は皆を
宥めながら,黒き創造主に自由に創造する
"権利"と共にその"責任"を求めた

それを約束した黒き創造主は大いに喜び,
そして弟の白き創造主と共に様々な世界を
創造し始めたのだ

この後,宇宙最大の事件が起こる事も知らずに
黒き創造主は只々,白き創造主に優しく
微笑んだ

4/3:3
第三創造主は,様々な命溢れる世界を次々と
創り上げ続けて行った

その度に黒き創造主は生み出した命達に
愛を与え,そして自身の手伝いをしてくれる
弟の白き創造主に感謝をした

姉が感謝してくれる度に喜びで満ち足りて
居たと言うのに,何時の日か,白き創造主は
愛する姉で在る黒き創造主に愛される命達に
嫉妬し始めたのだ

その日を境に,徐々に黒き創造主と白き
創造主の関係は変わり果てて仕舞う事と
なった

4/3:4
黒き創造主が命を創り上げる度に癇癪を
起こし,自身への愛を確かめようとする過激な
干渉を行う白き創造主に対して,黒き創造主は
次第に嫌気を感じる様になった

それでも,自身の愛する弟だからと耐えながら
白き創造主を側に置く時間が永ければ永い程,
重過ぎる程のし掛かる執心や激情と共に
愛する命達を狂わした行為に,悲鳴を上げた
黒き創造主は酷くすがりつく白き創造主を
つき放し,悲しみと怒りと自身への恥に因って
逃げ出したのだ

最愛の姉が自身から離れた事,そして自身を
必要とし無くなる事と共に,愛してくれ無く
なる事への酷過ぎる恐怖に苛まれ,

独りとなった白き創造主はその成長させ
過ぎた依存と混乱と恐怖に因り,狂い果て,
そして不幸にも,封印した過去の記憶を
全て思い出して仕舞ったのだ

それに因り,何もかもが狂って仕舞った
白き創造主は,あの過去から足した溢れる
ばかりの怒りと憎しみと哀しみと愛情と
怨みを全て,黒き創造主に入れ込み,そして,

黒き創造主の全てを奪い,自身の要らぬ
黒き激情,そして過去を思い出させてくれた
命達に報復と感謝の為に,自身の赤黒き
劇毒を全宇宙に撒き散らしながら軽やかに,
全大地を踏み遊んでは聖地へと足を
運んで行った

その日から,全世界は闇を否応無く
味わう事となった

4/3:5
怒りと悲しみに染まった黒き創造主は
急いで,弟の居る聖地へと足を駆け巡らせて
居た

白き創造主と離れた日を境に命達は皆,
武器を片手に争い始め,呪い,怨みと共に
全世界は大混乱を極めて居たのだ

白き創造主が裏切り者と共に聖地を
支配した-----------…

傷だらけの懐かしき従者が命をかけて
告知した内容に黒き創造主は酷くも驚き,
そして急いで聖地へと戻った瞬間に
驚愕したのだ

変わり果てた聖地や支配され,傷ついた従者達,
そして何処かで見た事がある様な美しい
装飾に身を包んだ白き創造主の姿形…

艶やかな笑みや外面に,その溢れるばかりの
禍々しい狂気に背筋を凍らせた黒き創造主に,
白き創造主は滑らかに近づき,そして口づけと
共に剣を突き刺した

あの時と同じ場所に,あの時と同じ
形をした剣で-------------…

呪いと共に,聖地から落とされた黒き
創造主の後を追う様に,白き創造主は恍惚の
笑みを浮かべながら聖地から飛び降り,
そして,主人の後を追う様に裏切り者達も
聖地から飛び降りたのだ

後に起こる騒動と共に,生き残った従者達
からはこの一連の出来事を"あの事件"と呼び,
あの事件が終えて尚,現在も忘れ難き戒めと
して,永久に語られる事となるのだ



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