耳障りな金切り音をたてながら、2つの風が駆け回る。
大通りを、ビルの間を、路地裏を。
時折真っ赤な火花や鮮血を纏いながら、疾風が暴れまわっていた。
ギィン、と一際大きな金属音が響くと、ビルの屋上で砂埃を舞い上げながら風が急停止。
風の中からはそれぞれ2つの人影が現れた。
一方は青年と呼ぶにはいささか若く、少年と呼ぶにも大人びた風貌の男。
もう一方は少女とも少年ともとれる、中性的な美貌を持つ子供。
二人とも身に纏うものはボロボロで、所々が紅く染まっていた。
しかしそんな姿であるにも関わらず、二人の肌には傷口が一切ない。
ただただ呼吸を調えながら、互いの隙を探っているようだ。
「……もう、終わらせよう。」
鈴がなるような声がした。
子供の方が口を開いている。
「我らロライア族は永く歪んで生きすぎたのだ。私とお前が死ねば、それでようやく終わる。我らはーーーーーーーー…………」
言いながら、子供は手に持つ小太刀を構えた。
瞳には、色濃い絶望の色。
一瞬姿が消え、次の瞬間には男の目の前にいた。
小太刀を振りかぶり、柄を強く握って、言葉が紡がれた。
「産まれてきては、いけなかったんだ。」
HUNTER×HUNTER二次創作、『慟哭の天龍人』
みたいな?
叩かれそうな気もするけど、二次創作で小説を書いてみたい。
HUNTER×HUNTERの世界観でやってみたい。
面白そう。