∵ 食べる。
2013/06/12 23:14

摂食障害に興味持って来てくれてる人が結構いるみたいでおまる。
なので、ちょっくらそのことについて書いてみるぞ!と思ったら意外と長くなったでごわす。

※苦手な人は回れ右して退却だ!^p^\


最初は拒食から始まった。
拒食っていうのは、そのままの意味で食べないことで、とにかく本当に何も食べなくなった。
ぱたり、と食べなくなったのではなくて、徐々に食べなくなった。

飴だけなら食べれてたけど、徐々に固形物が駄目になってきた。 
ヨーグルトだけなら食べれてた時期もあったけど、 徐々にそれも無理になってきた。
水だけなら飲めてたけど、お腹が少しでも膨れる感覚が駄目になってきた。

徐々に、何も口にできなくなってしまった。

食べないことへの苦痛はあまり感じなくて、なんで食べたくないのかも良く分からなかった。
でも、そんなことしていたら確実に人は痩せてしまうものである。
最初は何も気になんてしてなくて、痩せるっていう概念がなかった。ただ、食べたくないから食べてなかった。欲求がなかった。食べる事も、寝る事も、エッチに関しても、何も感じなくて何も欲しくなかった。

「最近凄い痩せたけど、大丈夫?」

この言葉がかちっ、とスイッチを入れた。
ぱっと視界が明るくなったようだった。
「心配してくれている!」って思った。
今までそんなに関わりがなかった人でも、心配そうに声をかけてくれるのである。
心配してくれてる、気にかけてくれてる。
そう思った。

思った途端、過食に走った。
過食は辛い。本当に辛い。拒食で痩せて、心配されて、その安堵感がなくなってしまうと思ったし、でも、もうどうすることもできなかった。
過食は拒食よりも体力がいるものだった。
ただでさえ拒食で落ちていた体力に比例するように、過食行為がどんどん辛くて苦しくてたまらなかった。

でもひたすら、口に入れれるものは何でも詰め込んだ。
ぼろぼろに泣きながら詰め込んだ。
ぼろぼろというよりも、しくしく泣いて、自然と涙が流れる泣き方だった。

胃が悲鳴をあげてるのがわかる。
でも詰め込む。
何もしなくても吐き気がしてくる。
でも詰め込む。

滑稽だな、と何時も思った。

しくしく泣きながら口に指を突っ込んで、何よりも心が痛くて、胸から競り上がるものは食べ物だけじゃなくて。
その食べ物じゃない“何か”も一緒に吐き出してた。
引っ掻き過ぎて血が混じりはじめても、痛みなんてなくて、胸がずっと痛いのである。

吐き出さなくちゃ、吐き出さなくちゃ。

頭の中がそれでいっぱいになる。
空っぽになるまで吐き出さなくちゃダメになる。なにが?わからない。
分からないけど、吐かなくちゃいけないのは確かだった。

へろへろになっても、辛くても、自分じゃもうどうすることもできない。義務だった。義務になってしまったから、吐き出すしかなかった。その“何か”を外に出してしまわないと、駄目になってしまうのだ。

どんなに異様な行為だったとしても、人は慣れてしまうし、順応してしまう。
嘔吐することになれてしまったあくる日、ぱたりと吐けなくなってしまった。 
吐かなくちゃ駄目になってしまっていたのに、吐けなくなった。別の涙がこぼれて、過食のせいでガタガタ震える身体が、余計に震えて止まらなくなる。怖くて、どうしても吐き出したくて。でも出て来てくれないのだ。

震えてる自分に気づいた時、自分ってこんなことでも狼狽えるんだなって思った。
食べ物に殺されることもあるんだなぁ、とぼんやり思った。

最後に楽しく食事をしたのっていつだったんだろう。
拒食の時、目に映る食べ物全てが怖かった。
過食の時、こんな自分の姿を見られるのが怖かった。
何もしてない時でさえ、頭の中がずきずき痛む。

食べ物売ってるお店が怖い。自動販売機が怖い。コンビニの光も怖い。食べ物を掴める自分の手が怖い。口が開くのが怖い。友達がペットボトルの飲む姿が怖い。外に居るときのお昼の時間が怖い。

カチッと、いつ入るか分からない摂食のスイッチが怖いのだ。







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