【怖いものについて】
二煽利:「死なれること」
二煽利:「というのも、死自体身近にありすぎて感覚が麻痺していたのもあるんだろうが」
二煽利:「改めて思うとそれは怖いことだなと」
(真夜中のサルーテ)
・二煽利の発狂のトリガーは「死なれること」。
・広義に解釈すれば「死」そのものに恐怖を抱いていると言える。
【人間と化け物】
二煽利:「……一応は」
二煽利:「人である身は確かに捨てたが、心まで捨てたわけではない」
二煽利:「だからお前の問に答えるならこうなる。人ではないが俺は人間だ」
※「化け物」と言われたときの返事
二煽利:「それは私か? それともここに転がっているみっつの死体が?」
二煽利:「別にどちらでもいいが」
(死を告げる哀歌)
二煽利:「化け物で結構、否定はしない、むしろ肯定でもしてやろうか」
(Der Richter)
・人間ではないが人間である、というのは本人の認識。
・どちらでもいい、というのは他者の価値観に関して興味がないということ。
二煽利:「…………周りのやつはみんなそう言うな。私は人間だって」
二煽利:「人間だって言ってくれるから、私は人間だって言えるんだと思う」
↓
二煽利:「別に人間じゃなくていい、怪物でも構わない」
二煽利:「むしろ、こうなってしまった以上、怪物でないと駄目だ」
二煽利:「ならいっそそれらしく生きてみるのもありだと思った」
(Der Richter)
・人間でないことは痛い程理解しているが、その上で周囲からは人間だと認められているので、自分は人間だと言える。
・人間で居続けた結果、死者を出してしまったことに耐えきれずに完全に心が折れた結果。
・化け物でいれば人間のように悩む必要もない。
二煽利:「事実だろ、私は人間じゃない」
(Der Re:chter)
・人間でいることを捨てたので本人の意識として自分は“人間”でなく“化け物”。
二煽利:「…………当然だ、人間なのだから。人として生きたなら、人として死ねる方がいいに決まってる」
二煽利:「もっとも、俺がそれをいう権利などないに等しいのだろうが」
二煽利:「人間として生きている以上、人間として死ね。俺のようにはなるな、それだけだ」
(死を告げる哀歌)
二煽利:「瞬間移動なんてできないほうがいいに決まってるだろ」
二煽利:「第一人間だろお前、人間なら人間らしくしておけ」
二煽利:「つつましくしろだなんて微塵にも思っていない。むしろ、人である身のほうが羨ましくも思える」
(Der Richter)
・天使曰く、人として死ねないのであれば、輪廻の輪からも外れ、その存在の境から軒並み意味を剥奪される。
・人である方が羨ましく思えるのは、人としての死を約束されているから。
・ただのないものねだり。
【死について】
二煽利:「同感だ。ああ思い出したこの感覚、死ぬことというものは何度経験しても一向に慣れない」
二煽利:「ここはそれよりとほんの少し違うんだろうが、似たようなものだな。限りなく死に近い、この香りが俺は大嫌いだ」
二煽利:「まず、寒い」
二煽利:「自分に流れる時間の凍結、それと、体温を感じない。だから寒いし冷たい」
二煽利:「それに暗い、何も見えない。歩いていても地に足がついたような感覚がしない」
二煽利:「あとは、孤独感だろうか」
二煽利:「誰もいない、そこには自分ひとりしかいないのだと認識させられる」
二煽利:「だから嫌だし、怖い。この世界で自分一人だけが存在しているようだと錯覚する」
二煽利:「それでも」
二煽利:「歩かないといけない。特に俺は」
二煽利:「それが絶望であったとしても、深淵であったとしても歩き続けなければ、自分が生きていることを証明しなければ」
二煽利:「それができなくなったとき、あるいは諦めたときに、俺は本当の意味で死ぬんだろう」
二煽利:「俺にとって死は真逆の存在だ。忌避すべきものであり、もっとも遠ざけておきたいものだから」
二煽利:「だが、死はいつでも隣人だし、それはきっとこれからもそうなんだろう」
(死を告げる哀歌)
・二煽利は寒いのがそこそこ苦手で、それを「死」に結び付けている。
・人間だった頃に、発狂して目が見えなくなって死んだ経験から何も見えない、暗い=「死」と捉えている。
【NPCに対する狂気】
二煽利:「ただの自己満足」
二煽利:「それと、死に対する反抗だな」
二煽利:「……目の前で助けを求められたら、助けるに決まってるだろ」
二煽利:「当たり前だ。お前が生きたいと願うのであれば、俺はそれに全力で応えてやる」
二煽利:「それはただの自己満足だ。目の前で誰かが死ぬのを見るのはもう嫌だからな」
二煽利:「手遅れになると考えるから自らを犠牲にしようなどという発想が生まれるんだ」
二煽利:「手遅れにはならない、俺がそうさせない。お前は死なせないし、誰の手にも殺させない」
(死を告げる哀歌)
・NPCを助ける、死なせないようにするのは“自己満足”と言うが、本質は「死なれること」が怖いだけ。
・これもまた「生への執着」の狂気に含まれる。
二煽利:「お前たちは奥にいろ。また狙われたらたまったものじゃない」
二煽利:「あれは人間じゃない。それにあれは俺の性質を理解している」
(死を告げる哀歌)
・戦闘において自分よりも弱者であるNPCを狙われることに弱い。
二煽利:「……私はお前と違ってこの世界が大事だとか、人類を全員わけ隔てなく愛しているとか、そういうわけじゃない」
二煽利:「だが、覚悟なんてなければこんなところには立っていない」
二煽利:「逃げようと思えばいくらでも逃げられたし、生きようとするならはなからこんなことに関わっちゃいない」
二煽利:「運命っていうんだろ、そういうの。よくわからないが。私がこれを手にして、ここであいつと出会って、殺し合って、それで私が立っている」
二煽利:「神なんか信じてない、そんなものいるわけがない。これは私自身が選んだ道で、これは私が選択した未来だ」
二煽利:「いくら鎖で繋ぎ止めようとも、その度にレイアのような奴が現れて、こいつが帰ってくるのだとしたら」
二煽利:「その時はまた私が止めればいい」
二煽利:「これはきっと縁だから、関わった以上逃れられないものだ、と思う」
二煽利:「守れというなら全部守る。……大体、最初からそうするに決まってる。愛しているわけじゃないが、私のせいで人が死ぬのは見たくない」
(Der Richter)
・愛と慈悲<<<自己満足だった頃。
・これがあってなお他者を守ることに拍車がかかったような気がしないでもない。
二煽利:「…………だとしても、俺は認めない。方法がなくても、それを考える頭はある、前に進む足だってある」
二煽利:「俺は死なない、歩き続けている内は。生きなければならない。それは俺だけじゃない、ここにいる全員がそうだ」
二煽利:「最善の方法だって? 笑わせるな。それはお前が単に諦めただけの話だろう」
二煽利:「抗えとは言った、だがそんな風に言った覚えはない。自分を犠牲にしろだなんて誰が言った」
(死を告げる哀歌)
二煽利:「……なんだってそう、私の知り合いは他人やら世界を助けるために自分の破滅を選ぶんだ」
二煽利:「みんな決まってそう言う、“他に方法がなかった”と」
二煽利:「何回目だ、何度目の前で人を死ぬのを見ればいい」
二煽利:「お前に言ったってどうしようもないのはわかってるが、それでも置いていかれるこっちの身にもなってくれ」
二煽利:「死にたくないっていうなら、殺す理由もない」
二煽利:「最良の選択肢だとかそんなこと知るか」
二煽利:「殺すくらいなら別の方法を探すに決まってるだろ」
(末那識のカルナ)
・なんだって二煽利の関わる人たちは皆揃いも揃って自己犠牲的で献身的なんだろう……。
・「死なれること」が怖いので、少しでもその素振りを見せるのであれば全力で止めようとする。
・死にたいと言われても生かそうとする、かもしれない。
二煽利:「殺さない」
二煽利:「それをするくらいなら別の方法を探す。最後まで抵抗してやる」
二煽利:「それでも。可能性があるならそれを探してからでもいいはずだ」
二煽利:「今すぐにはできない」
二煽利:「……死にたくないって言ってる人間を殺せるわけないだろうが」
二煽利:「それがそいつの生きたいと願う意志だからだ」
二煽利:「私はそれを無視することはできない」
(末那識のカルナ)
・殺すか殺さないかの二者択一を迫られた際、殺すくらいなら別の選択肢を探そうとする。
・「死なれること」が怖いのに「死にたくない」って言ってる人をわざわざ殺すわけがない。
・どこまでも生に執着しているので、生きたいと願うのであれば二煽利はそれに全力で手を貸す所存。
二煽利:「…………正直、あまり見捨てたくもないんだが」
二煽利:「面倒だな、知り合いに顔が似ているというのは」
二煽利:「同情じゃない、同情なんかしたくもない」
二煽利:「そこはもう性分なだけだ」
二煽利:「何も見てはいない、私には生きることしかできない」
二煽利:「そんなものは自己満足でしかない、どうしようもないほどに、私は人間らしいからな」
(Der Re:chter)
・たとえ敵であっても目の前で死にかけている者がいるのなら慈悲で助けてしまう。
二煽利:「街なんかどうでもいい」
二煽利:「ミコトが無事ならこんな街ひとつ壊れたってかまわない」
二煽利:「………………狂ってない、愛してるだけだ」
二煽利:「死なれたくないだけ、私の自己満足」
二煽利:「こぼれるものをすくおうとして、自らがこぼれることを享受したあいつを私がすくい上げようとしているだけで」
(Der Re:chter)
・狂愛、自分の可愛いものが可愛いだけ、という言葉に否定ができないしその通りでしかない。
・愛してるのは確かだけれど、周りを見ないでいるその姿勢と目的達成の方法が大きく逸れ始めているので行き過ぎた愛は狂気でしかない。
【生きる意志】
二煽利:「だがそれならそれでいい。逃げ場がないのであれば、殺すか殺されるかだ」
二煽利:「殺せばいいのだから、簡単だろう」
二煽利:「安心しろ、俺は自分が死にたくないから相手を殺すだけだ」
二煽利:「ならなおさら死ぬつもりはない。俺は確かに人ではないが、人であるとお前が言う以上は人なんだろう」
二煽利:「人だからこそ、死なない。死ねない。死んでも生き残る。それが俺の抱えている狂気だからだ」
二煽利:「意志が折れない限り、俺は死なない」
(死を告げる哀歌)
・死にたくないから、それを邪魔するものは殺す。
・自分は人間という意識がある以上、「死」に対する恐怖心がある。
二煽利:「…………矛盾なんかしてない。死にたくないから戦うんだろ、何も間違っちゃいない」
(Der Richter)
・それが愚かであっても、無謀だとしても、死にたくないのであれば戦わなければならない。
・勝てば生きる、負ければ死ぬような世界なのだから、戦わなければ勝てない。