長い睫毛、赤と青の宝石のような瞳、ふっくらとした唇。しゅるりと伸びた手足、形の良い大きめの胸。
自分にないものを全て持っている人、近いけど遠い存在。
お人形みたいなあの人はきっと自分とは遠い存在なのだろう。
並盛駅から徒歩三分にある唯一正しいボンゴレ女学園は幼稚舎から大学まである。
高校から入って来た骸はまだまだこの学校に慣れない。何せ制服がセーラー服であったり挨拶がごきげようだったり。しかしそれより苦労しているのは一人の少女の存在である。
「骸さんっ」
教室の扉を開いた途端腰に抱き着かれる。
「お、おはようございます。沢田さん」
「おはようございます〜」
骸の細い腰に抱き着き、胸に顔を埋める少女、紛れも無く同級生の沢田綱吉だ。
「骸さんのおっぱい気持ち良いです」
「さ、沢田さん、あの…」
クラスメートは日常茶飯事だとばかりに気にしていないが慣れない骸は恥ずかしい。やんわりと綱吉の肩を押すと素直に離れてくれた。
「えへへ」
ふわふわとした彼女の笑顔に何も言えなくなる。入学して一ヶ月、何故かこの少女にセクハラ紛いの行為をされるのだ。現に今も尻を撫で回されている。
「あ〜、ツナちゃんオハヨー。ついでに骸君も」
真っ白な少女がボリボリとポッキーを食べながら登場した。
「白蘭オハヨー、ってぎゃ」
挨拶と言わんばかりにスカートぺろり、純白のパンツがこんにちは。
「ツナちゃん白〜」
「ちょ、ちょっと白蘭さん。そういうことは」
純白を目にしてしまった骸は頬を赤らめながら白蘭の行為を指摘する。しかし彼女は悪びれずポッキーをボリボリ。
「別に女のコ同士だし良いじゃん。それに骸君のには興味ない」
「骸さんは外進だし仕方ないよ」
やんわりと宥めながら綱吉も骸のスカートをめくろうとしていた。
「女子校、と言うものは慣れませんね」
はぁ、と深いため息を着いた。自分の様にこの学園に外部から進学してきた人達もこの様に苦労しているのだろうか。するとご飯食べましょ〜、と沢田綱吉をお弁当を持ってきた。僕も僕も〜、と白蘭もコンビニ袋を引っ提げつつ寄ってくる。断る理由もないので自分も弁当を出した。
「骸さんてホントにスタイル良いし美人ですよね! 羨ましい!」
食後の菓子を摘みながら綱吉がうっとり。そだね〜と白蘭が生返事をする。
「ホント胸とかぱふぱふだし……!」
むぎゅっ! 綱吉が骸の骸をわしづかんだ。いきなりの事に困惑する。
「ちょ、沢田さっ!」
「女子校ではよくあることよくあること〜」
「ふにゃ〜。気持ちいいぃ」
うっとりとしてしまった綱吉を骸はどうする事も出来ない。混乱していると白蘭がこっそり耳打ちしてきた。
「やりなれてるやつはやられ慣れてないよ」
つまり綱吉の胸を揉めということなのか。しかしこれで変態への道には進みたくない、いやしかし背に腹は変えられない。胸は恐る恐る綱吉の小さな小さな胸を揉む、と言うよりは触った。
「むきゃ!!??」
まるで小動物のような声を出して綱吉は骸から離れた。骸と自分の胸を交互に見て、わなわなと震える。
「う、うわぁぁぁん!!」
叫びながら綱吉は教室を飛び出す。ア然とする骸を余所に白蘭はにやにやと携帯でムービーを録っていた。
「いいねぇ、あの初な反応。中学の頃を思い出すなぁ〜」
「は、はぁ」
右手には彼女の小さな乳房の感触。自覚した途端頬に熱が篭る。
「…………っ」
別に同性の胸を触ったぐらいで、頭では分かっているのに、胸はドクドクと脈打っていた。
百合で学園もので綱さんが攻めるのが書きたかったんです(´・ω・`)
ツナ(無自覚セクハラ)→骸(無自覚)とか良いんじゃないかと。
ツナはセクハラしまくるけどレズという言葉すらしらなくて、骸さんはセクハラされつつツナへの恋心に気付いて一人悩んでたら良いんじゃないかと。(^q^)