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泣きたくなるほどの幸せ

今日はすごく幸せな夢を見た

「どんな夢?」
「んっとね。結ばれたいほど大好きな人を助けたいと思って冒険に出るんだけど、結局はうまくいかなかったの」
「それって幸せなの?」
「それ自体はすごく悲しいんだけどね」

大好きな人たちが傍にいてくれる
私の知らないところで私を深く思ってくれる人がいた

「大好きな人とは一緒にいられなかったけど、想ってくれてる人が居ることがわかって、すごく胸が暖かくなるの」
「女は想うより想われろって昔から言うけどね」
「夢の内容は、あっという間にぼやけちゃったんだけど、なんだか胸がきゅうって苦しいけど幸せだったなぁっていう気持ちだけはずっとあるんだよね」

大切なものを失った
だけど、それと同じくらい大切なものが見つかった
哀しくて、だけど、泣きたくなるほど幸せな夢

幸せの在処

「私って薄情だよね」
「久々に出たと思ったら、急に何言ってんの?」

好いてくれる人が要る
大切にしたいと思いつつ、距離を空けようとしてしまうのは私が臆病だから

「こんな自分勝手で、気まぐれで、自分でも訳わかんないヤツなのに、なんでそんなに好いてくれるんだろうって」
「自分からみた自分と他人からみた自分は、全然ちがうじゃない?」
「そうなんだけど、嘘付いてるみたいで、時々、苦しくなる」

自分はそんなに思われる価値があるんだろうか?
大切にしたい友人、大切にしたい人
私は彼らを置いて行こうとしてるのに、彼らはそれでも私を思ってくれるんだろうか?

「我が侭なんだろうなぁ」
「茉奈の人生なんだから、好きにすればいいんじゃないの?」
「人は一人じゃ生きられないし、そんなことしたら私が私でなくなりそう」
「...難しいね」

見上げれば同じ空の下
だけど、横にいないことが違和感

隣の芝は青い

「はぁぁ...」
「幸せ逃げるよ?」
「だってさぁ、自分の嫌なところとか気づきたく無いじゃん?」

別に聖人の様にありたいわけじゃない
ただ、自分の器が思ってた以上に小さいんだって突きつけられた気がした
それに、もしかしたら...

「...私もそう見られてるのかなって、思っちゃうじゃん?」

他人を疑いたくはないけれど、一度浮かんでしまった考えを取り消すのは難しい
一歩間違えれば、疑心暗鬼の迷宮に迷い込みそうで、怖い

「気付いたなら直せばいい。直せないなら認めてしまえばいい。認めた上でどうしていくのか、そこが大切なんじゃない?」

そういって彼女は微笑む

「...どうしていくか、ね」

私は、どうしていこう...

陰り逝く月

「すごい」
「ほんとに月が消えてく」

凍える冷気に清められ、澄み渡った夜空に浮かぶ月が影っていく
その周りでは、隠されていた星々が時がきたとばかりに冴え冴えと光り輝いている
普段は月に付き従って形を潜める星たちも無礼講とばかりに現れて、漆黒の夜空を彩っている
月が完全に隠れた瞬間、一陣の風が駆け抜けた

「・・・いやな風」

闇を喜ぶ風は不吉な予感を呼び起こさずにはいない

「はやく月が戻ってくればいいのに」

ストッパー

「うあぁぁ・・・」
「・・・なに、その悲壮な呻きは」

頬にあたる机の冷たさが心地いい

「自分の短絡さへの嘆き」

国家公務員試験を受けようと思った
でも、理由を聞かれてありきたりな答えしか出てこない自分に、ミーハーな気持ちだった、意地になってやらなければと思い込んでいたと気付かされた
なにより『官僚になりたいのか?』と訊かれて嫌悪を覚えた

「逃げてたんだよね。そんな暇ないのに」
「まぁ、気付けただけ儲けもんじゃない」
「そう、だよね」

やりたいことなんて見つからない
この会社じゃないと無理、なんて理由もない
ただ、自分の手でダイヤの原石を見つけたい
埋もれた物語を探したい
沢山の物語に出会いたい
でも、認めてもらえるだろうか

「ほんと、大丈夫かなぁ」
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