俺は今、絶体絶命の状況に立たされているかもしれない。いや、既に立たされていて落ちている。
もちろん原因は俺じゃない。目の前のむさ苦しい男と、あの茶髪の男だ。
「近藤さん…本気ですか…?」
「トシ。俺が嘘をついた事はあるか?」
「……」
先程この真撰組とやらに入れとか言われた。もちろん断った。そして却下された。
「……」
よくよく考えてみるとこいつらは昔のジャッポーネの「武士」とか言うヤツなのかもしれない、と言う事に気付いた。
ここに落ちる時、大きなタワーと空を飛ぶ船を見た。けど街並みはこの前見た江戸時代の映画のように古臭かった。
きっと文化は似てるようで似てなくて、変な所で食い違っている世界なのだろう、ここは。
「近藤さん…だからってそれは……」
「…いやいやトシ、彼が居れば…」
二人は変わらず会話を続けている。だが状況は全くと言って一変していない。
そう言えば茶髪の男はどうなったんだろう。まだ気絶してるんだろうか。
「……」
でもこの世界に来た理由さえ分からないのにどうやって戻れば良いのだろう。
やはり入った方が良いのだろうか?けれどボス以外の誰かに忠誠を誓うのはごめんだし…だからと言って外に放り投げ出されれば路頭に迷うのは目に見えている。となると、当分あちらに戻れない。それを考えるとやはり入った方が色々と都合が良いか。
よし、入ろう。
「おい、そこの影薄いやつ。俺真撰組に入るから手首のさっさと取れ」
「へ?あ、はいっ!」
部屋の隅に立っていた男に手錠を外してもらい辺りを見回した。
二人はまだ喧嘩をしていて、他の奴等はこっちを見ている。視線がうざったい。
「おい。そこの瞳孔開いてるやつ」
「んだとゴラァ……!ってめぇ、…いつの間に手錠を…」
「そこの影薄いやつに外させた」
「山崎てめぇ…」
「すみません副長…」
二人を放って置いて俺はむさ苦しい男と向き合った。確か名前は近藤とか言ってた気がする。
「真撰組に入ってやるよ。けど、条件がある」
「…条件?」
「そこの瞳孔開いてるやつとあんたが着ているその服と同じものを俺に用意しろ」
「!」
辺りが一気に静かになる。
酷く愉快だ。
「…な、なんでだ?」
「そこの瞳孔開いてるやつの下に居るのが嫌だからに決まってんじゃん。だからせめて服だけでも、って」
「…っ」
俺は近藤を見下しながら我ながら良い条件を出したと思った。
「……っ…分かった」
「近藤さんっ!あんた今一体何を言ったか…」
「仕方ない、トシ」
また言い争いをしそうな雰囲気になりそうだったので俺は逃げようと立ち上がった。
「これからよろしくねー」
笑顔でひらひらと男達に手を振り、あの茶髪の男の所に向かった。
これから起こる事を知らぬまま。
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やっと終わったぜ\(^O^)/
もう駄目文すぎて笑えない。
展開の早さには突っ込まないで下さい。