とりあえず企画立案者が書かないと駄目だろうということで書かせて頂きました。
スザ+ルル+シーでゼロレクイエム前のひと時の話です。
「ルルーシュ、私が何かしてやろう。」
「「は?」」
驚愕する黒と白の騎士と皇帝に、発言の主―C.C.は顔をしかめた。
「なんだその反応は…言っておくがピザ以外のモノは食べてない、頭がボケたのでもない。」
「…何が狙いだ。」
白―ルルーシュは知っていた、さっきの発言をした際のC.C.の顔は自分をからかう時のそれと同じことを。
以前この笑顔を見た後に起こった災難をルルーシュは忘れてはいない、だから警戒している。
「暇潰しだ、お前らは世界征服の為に忙しいだろうが私は何もすることがない。」
「だったら運動でもしたらいい。丁度いい長さの廊下なら「体力面はスザクがいれば良いだろう、だから私はメンタル面を補ってやる。」
だったら静かにしていてくれ。
うなだれるルルーシュに「御主人様、なーんでも言って下さいね」記憶を失った時のようにC.C.は詰め寄る。
語尾にハートマークは彼女の遊び心だ。
「御主人様ぁー、何をしてほしいですか?」
「何もない。」
「掃除、黒ビキニのお洗濯?お料理もプリンをプッチンするくらいなら…、あ、でも御主人様は童貞だから夜のお相手の方が「スザァークっ!!コイツをこの部屋から引きずり出せっ!!」
今となっては有名となった黒ビキニ、プリン、童貞はルルーシュの羞恥を沸き上がらせるのには実に有効なワードだ。
事実それをモロに喰らったルルーシュは、涙目になっている。
スザクはそれを黙って見つめ、暫くした後
「じゃあ僕も。」
深々と跪くスザク。
「何なりとお言い付け下さい、陛下。」
「…な…っ!?」
ルルーシュの思惑とは違うスザクの行動は彼を更に混乱させる。
そんなルルーシュを見てか否かスザクは目許を緩ませる。
決して笑ってはいないがルルーシュには笑っている様に見えてしまい、恥ずかしさがこみ上げて来てしまう。
「おっ…お前まで、どうしてっ…!?」
「たまには生き抜きも必要だろ、ルルーシュ。」
「……確かにそうだが…。」
「ほーお、私の時とは随分反応が違うようだが?」
そうC.C.は咎めると子供の様にルルーシュにしがみついた。
「ほわっ!?」
「ご主人さまぁー、早く注文してくださぁいー!!」
「そんな喋り方何処で覚えた!!…というか胸を押し付ける止めろ!!」
「あらっ、ご主人様ったら…やらしいっ!」
「やらしいのはお前だ馬鹿!!」
「…ルルーシュ、僕を無視するの?」
と。鳥類顔負けの口論にスザクの一言が一時の静寂を生む。
「スザク…その…。」
ぎこちなさにルルーシュが口を開けば、目の前の騎士は今度こそにんまり笑って
「嘘は駄目だよ、ルルーシュ。」
握られた手から骨の軋む音がした。
この男の恐ろしさを身や心をもって体験しているルルーシュが判断するに、今のスザクの状態はMK5(マジでキレる5秒前)と同等のレベルに達している。
ともすれば、ルルーシュに残された道はたったの一つ…。
「………今回だけだ…。」
折れたルルーシュに二つの笑みが浮かんだ。
「………おい、スザク。」
「静かに、ルルーシュが起きるよ。」
「…ここのところずっと寝ていなかった様からな…多分今日はもう起きまい。」
「……ルルーシュも馬鹿だよね、“今日一日一緒にいてくれ”なんて。」
「ああ、本当にコイツは馬鹿だ。」
「命令なんてしなくても、ずっと傍にいるのに。」
「…そうだな…“ずっと”…。」
―例え結末が決まっていたとしても、想いに終わりは無い。
…End