人は自分が持たないもの恋い焦がれる。
あれもほしい、これもほしい。
語るのも馬鹿馬鹿しいかもしれないが
なぜ神はすべての人間に
欲望というものを与えたのだろう。
使い方によって欲望は多くの人を幸せにした。
けれど、それより多くの人が欲望によって不幸にされた。
生まれながらに人間は危険物を抱えている。
さあこの欲望が不幸にするのは
この身自身か。それとも他者か。
もっと馬鹿に生まれたかったなぁ。
いまも充分過ぎくらい馬鹿だけどさ。
人としてより他の思考を持たない生き物に近いような頭の中身をした人間になりたかった。
嬉しいかったら笑って悲しかったら泣く。
純粋に「きみはは馬鹿だねぇ」と笑われながらそうですね、と屈託なく笑っていられる人間になりたかった。
憎悪や嫉妬をつくりだすこの窮屈な身体から抜け出してみたい。
そんな風に思ったよ。