Gods and Monsters

ミディアンへようこそ……






誰にも伝わらねー!!!!



ということで、オレの敬愛するクライブ・バーカーが作った映画を紹介させていただきます。


1930年代に、フランケンシュタインの花嫁、透明人間とカルトなホラー映画を世にだした異才、ジェームズ・ホエール。

その監督が、栄光を掴みながら銀幕から姿を消して16年後………謎めく死を遂げ自宅プールに浮かぶ。

そのミステリアスな実話をもとに作られた映画がこれ








ええ〜…ぶっちゃけホラーじゃありません。

最初言うたように、制作指揮は、ヘルレイザー、ミッドナイトミートトレイン…などなど、血の本シリーズのクライブ・バーカーなんやけどね。

もともとバーカーの文体自体が綺麗やろ。

上品なスプラッターゆうか……格調高いグロテスク?

とにかく、モダンゴシックホラーゆう分野を確立さした人だけあって、内蔵ぶちまけ鮮血飛び散るような安っぽいスプラッターやないわけ。



その高い美意識が、この映画ではよく表現されとると思うんよ。

まずカラーが美しい。

美しい言うても、華美やないの。

ブレンダン・フレイザーの役がガーデナーゆうんもあって、よく庭の景色が出てくるんやけど、ガーデニング愛好家の方も是非ご覧ください。

多分ね、使ってる薔薇の1輪なんかにしても、かなりのこだわり持っとるんやないかな。

そして役者が美しい。

雇われ庭師のブレンダン・フレイザーね、ハムナプトラのお父さんや、彼は男性美の象徴みたいな役なんやけど、ホエール監督役のイアン・マッケラン←ロードオブザリングの白魔術師ガンダルフやけど、ホラーやとキングのゴールデンボーイに出てたよね。

過去の妄想(モンスター)に捕らわれ続け、世捨て人のように生きとる孤独なホモセクシャルの老人…ゆう役なんやけど、マッケラン自身の現実にも重なる部分があるからか、自然体でサラッと演じとる。

その孤独な老映画監督の世話をやくメイドは、リン・レッドグレイブ。

彼女も愛らしいええキャラや。



さらに、ストーリーも美しい。

映画フランケンシュタインの花嫁に纏わる誕生悲話なんやけど、それには監督の愛した戦友の死、敵地であったため、ほんの目の前で死んでいった友人の遺体をどうすることも出来ず、腐敗し崩れていく愛した人の亡骸(モンスター)を見続けた痛々しい戦争の記憶…が潜んどる。

メアリー・シェーンの書いたフランケンシュタイン……

天才博士フランケンシュタインが、人間の創造を目論んで墓から盗んだ死体をつなぎ合わせ人造人間を作り出そうとする。

実験は成功するも、博士の作った人間はあまりに醜かったため愛されず、復讐鬼(モンスター)となって人を殺していく……

その原作とオーバーラップして、なんとも切ななる話やねん。



とにかく、話の内容は暗いんやけど、映像にもキャラクターにもまるでドロドロしたもん感じない。

むしろ、とても気持ちの安らぐ映画です。


Σ(〇Д〇;)

オマエだけやろ?!



思われた方は、是非是非どんだけ安らげる映画か、柔らかで透き通った映像美のなかにある神の存在をご覧ください。