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その1

「さて…」



簡素な門を過ぎ少し傷んだ石畳を歩いていると案外庭は広いなと感じる。
年齢も性別もバラバラな子どもたちが遊んでいる。ざっと見て30〜40人くらいはいるだろうか。
足元に転がってきたボールを手を挙げている子に向かって投げ返してやる。子どもは嬉しそうに戻っていった。

「子どもはどんな所にいたって元気なもんだ。」
微笑みながら奥に進んでいくと目的の建物に着いた。

セント・マリア孤児院。

白い外装はくすんでおり屋根には補修の跡が見える。ドアに取り付けてあるベルに手をかけ、チリンチリンと鳴らす。しかし、何の反応も無いので中に直接呼び掛けた。

「すみませーん。」
「は〜い。ただいま。」

白い服を小綺麗に着た女性が奥の方からやって来た。いや近づくにつれ、ほつれたりしている部分が少し目につく。やはりこの孤児院は経済的に上手くいっていないのだ。

「こんにちは。あなたがマザーですね。お会い出来て嬉しいです。」
「失礼ですがあなたは…?」
「申し遅れました。私はジェイク・マッカートニー。こういう者です。」

上着の内ポケットから馴れた手つきで手帳を取り出し相手に見せる。

「………。刑事さんがこの孤児院にどういった用でしょうか?」

マザーは困惑気味に聞いてきた。

「突然お伺いして驚かせてしまいすみません。とある事件を追っていまして、それに関連してお話をお聞きしたいと思いまして。」
「お話?事件などは孤児院の中や近くでは起こってないはずですが?」
「ええ。この近辺は平和そのもの。何も起きていません。」
「じゃあ何の事件についてかしら?」

ドクンッ。
いよいよだ。ようやく掴んだ貴重な手がかりなのだ。若干の高揚を覚えつつその名を口にする。

「ポール・F・ハワードについてです。」
「ポール…!」















何かパッと思い付いた物を書いてしまた〜(汗)
続きが脳内で生まれたら書くかもしれない。
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