夜明け前

確かに、私たち夫婦はうまく行ってなかった。

09年の三月に弘樹が突然会社を辞め、生活が急変した。

その時は私も仕事をしてないし、娘は幼稚園に通っていてお金がかかる。


なのに何の相談も無く、勝手に仕事を辞めた弘樹に

私は怒りが爆発していた。


しかも、仕事を辞めてすぐの頃、浮気疑惑が浮上した。

仕事を辞めた当時、弘樹は知り合いの居酒屋をやってる知り合いに頼んで
週三回、皿洗いのバイトをしていた。

居酒屋でのバイトなので、帰りが遅いのは分かっていたが
酔っ払って帰ってくる。

なんかおかしいと感じて、弘樹の携帯を調べた。

私はすぐ弘樹に電話した。

『何あのメール、どういう事！？
いきなり離婚って何！？』


弘樹は
『だって…俺達もう終わってるだろう』

とつぶやいた。

メールを読んで愕然とし、動悸が激しくなった。


なんで？


急にどうしたの？



頭の中は真っ白で、手は震え


携帯のボタンを必死で押した。



弘樹にすぐ電話した。

いきなりででごめん。

前から考えてたんだけど離婚しよ。子供の為に頑張ろうって考えたけど気持ちがこれ以上戻ることがない。

もう会話する気もない。

とりあえず実家に帰ろうと思ってるから！



子供達の事があるからどうしたいか返事ください。
そっちが面倒見るなら養育費はちゃんと払うから！







こんな内容の一方的なメールだった。

はじまりは、突然のメールだった。



1月の下旬の寒い日だった。

私は夕方パートが終わり、子供を迎えに行ったあと家で寛いでいた。


6時前になったので、そろそろ夕飯支度でも…と思った時、メールの着信音が鳴った。


送信者は夫の弘樹。


メールを読んで、愕然とした。


【前から考えてたけど、離婚しよ】




私は携帯を持つ手が震えた。