話題:戦争について。

ドキュメンタリ宣言を視てます。

苦しい。
うじきつよしさんのお父様は職業軍人だったそうです。
うじきつよしさんはお父様を責め立てるように問い掛けを反復させます。
まるで戦争=悪=父親のように。
苦しい。

僕の祖父も戦争に参加しました。
祖母は地元長崎で被爆しました。
その時、すでに祖母は長男を産み、次の子供をお腹に宿していたそうです。

僕の母はその当時、まだ産まれていなかったので、同じ兄弟ながら長男は被爆者で母は被爆2世。
つまり僕は被爆3世にあたります。

僕は祖父にうじきつよしさんのようには問い掛けられません。
その資格すらない。
それに、あの当時生きた人が誰よりも傷ついたと思います。
平和ボケした今の時代に生をもらった人間が当時生きてきた人を『戦争=悪』で傷つけていいはずがないんです。

うじきつよしさんがお父様を傷付けたいと思ってる訳ではありません。
でも、それでも。

僕は祖父に『貴方が戦争でした行為(殺人)は悪い事で許されない』なんて言えない。

戦争ではどこまでが許される?
殺す事と、殺して晒す事と何が違う?
多国籍軍が悪くて日本軍が悪くないなんて事はない。

僕はそれを祖父や祖母には言えない。

祖父はうじきつよしさんのお父様のように職業軍人ではなかったし、祖父が誰かを殺したのか聞いた事がありません。
けれども、祖父の身体には戦争の傷痕が残っています。
僕が小さな頃、祖父は冗談めかしに言いました。
『ここを銃で撃たれてヘソから弾が抜けたんだよ』
そんな事ある訳無い事は解っていました。
では、そこまでして何故戦い続けたのか。
うじきつよしさんのお父様が言っていましたが、当時は天皇陛下の命に従う以外思考なんて存在しなかったそうです。
そうだと思います。
日本軍は正義で、侵略する国は悪。
それ以上もそれ以下もなく、それが真実だと思っていた当時。
でも戦争の末端は?
殺す人は苦しくなかった?
殺される人は怖くなかった?


戦争は悪い事で、許されない事。
戦争を盾にして、してもいい行為なんてない。
でも、全ての戦争を否定する事はできない。
家族が殺されそうになれば、僕は迷わず戦うだろう。
それも戦争。


苦しくて、難しい。


うじきつよしさんのお父様は言いました。
『戦争が終わった時は安心したし、嬉しかった』


仕方ないにしても望んだにしても、戦争をして幸せになる人はいません。