プルルルルー… プルルルルー… プルルッ ピッ

『ー…あ、千歳か?』

「白石、こんばんわ」

『おん。こんばんわ。…そっちは寒い?』

「そっちほどじゃなかよ。ばってん、流石に夜は寒か〜」

『そか。俺んとこも相変わらず寒いわ。』

「…白石」

『?なんや』

「外見なっせ」

『…見たで』

「星見えっとね?」

『…まぁ、ほんのちょっと見える、ぐらいやな』

「よかよか。俺ばみとる。一緒ばい」

『…せやな。』

「…。」

『…千歳』

「ん?」

『お誕生日おめでとう』

「…ありがとう」

『直接言ったりたかったけど、しゃーないな。帰ってきたら千歳の誕生日と正月のパーティーするって皆言うとったから』

「ははっ、それは、賑やかになりそうばい」

『おん。やから…』

「?」

『なんもない。楽しみにしとれよ。』

「…ん」

『…せっかく久し振りに帰ったんやからしっかり親御さんと話すんやで。後、妹さんにも』

「わかっとうよ。白石は心配性たい」

『そんなことないわ。当たり前やろ。』

「‥‥」

『‥‥』

「…蔵」

『!な、なんや、急に…』

「帰ったら、すぐ会いに行くたい」

『‥‥』

「やから、待っとってほしか」

『‥‥』

「‥‥」

『…はぁ、お前ほんま、人待たせんの好きやな』

「‥‥」

『…ずっと待っとる。やからはよ帰ってこいよ。』

「おん。おおきに」

『…ぁ、なったわ。千歳、明けましておめでとう』

「明けましておめでとう」

『今年もよろしくな』

「こちらこそ」

『そんじゃ、おやすみ』

「おやすみ。蔵、ありがとう」



‥‥
まだ俺らはなんにもできない子供で、
どれだけ一緒にいたくても、会いたくても
それはできないことで
わかっていても
やっぱり、会いたい
離れれば離れるほど思いは強くなる
そして苦しくて辛くなる
いつも君のこと思ってるよ
この思いだけでも君に届けばいい




ーーーーーーーー

「蔵!」

「人前で名前呼ぶなや」

「えぇー」

人が賑わう道の中、巨体の男は肩を落としながらも楽しそうに隣の男に笑いかけた。
その隣の男も、怒ったようだったが、満更でもないようなそんな表情をしていた。

あれから大学に入ったとき、千歳と白石は大阪で小さいアパートを借り二人暮らしをしていた。

二人暮らしをして初めての年末

本当にこの月の名前のように、色々な行事が忙しく終わっていく。

そして今日は今年最後の日
正月に備え皆も外に出てものを買いにくる
この二人もそのためにそこにいた

「これも買ったし、後はー…」

「蔵!蔵!これも買うたい!」

「そんなんいらんわぼけっ!なんでやねん!」

そんな茶番をしながらも、今日買うものは揃い、少し大通りから外れた道に入っていった。

「はぁー…やっぱ寒いなぁ」

「そうばいね」

白い息を吐きながら夜空を見上げる
あのときと一緒の夜空
あのときのように空には少し星が見えるぐらいで
ここの空は変わっていない

「あんときも」

「え?」

「こんな空やったわ」

白石は空を見上げながら呟いた

「…まぁ、あんときはこんなことになるとは思っとらんかったやろうけどな」

笑いつつ千歳の方を振り向いた白石の表情はどことなく、子供のようだった。


「…確かに、あんときとおんなじばい。ばってん、違うとよ。」

千歳は白石の隣に並び手をとった。

「!」

「今は、隣におって、並んで、帰っとる。」

ね、 そう言い千歳は笑った。
白石も、一段と幸せそうに笑った。

「千歳、誕生日おめでとう」



昔、俺らはなんにもできない子供だった
でも今は違う
おんなじ空でもおんなじとこでも
隣に君がいる
もう寂しくなんかないよ

大好きな 君へ

今度は想いと共に来たよ



12/31

HappyBirthday Dear 千里











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あとがき

もう今年も終わりますねー
今年はほんとどっぷりテニプリでした
そして、一番最初に好きになった
CP、ちとくらです
大好きです
この二人がいなければテニプリをずっと好きになんていられなかったと思う。
千歳はほんとに私の中では大人で子供?で凄く大好きなキャラです
方言も大好き!!でもかけない!!(笑)

千歳お誕生日おめでとう

そして、皆様後少し、よいお年を