大好きだったおじいちゃんもおばあちゃんも死んじゃって
陽菜は一人になった

一時帰国していた両親が一緒に来るかと言ったけど
研究に忙しいパパとママは殆ど家にいないから結局向うへ行っても一人
だったらまだ日本の方がいい

従妹の麻里子がいるしおじさんおばさんもいたから

一緒に住むかとも言われたけど
家があるし思い出もあるから一人暮らしをすることにした

でもやっぱり一人は寂しくて・・・


そんな時高校の先輩が優しくしてくれて
あっという間に好きになり初めてをあげたのに

狙いは初めから体だけだったみたい
あと、お金も

遊ぶだけ遊ぶと簡単に捨てられ
悪い噂も流され陽菜は学校でも独りぼっちに・・・

その隙間を埋めるように出会い系をあさり
一夜限りの男を求めた

高校三年生の時
大学生になった麻里子が週2で陽菜の家にやって来て
炊事と掃除をしてくれるようになり
生活も少しだけ改善

むやみやたらに男と遊ばなくなってたけど
やっぱり寂しい時はつい・・・


大学は麻里子と同じところに入り
演劇サークルに誘われ
カッコいい男いるかなーと思ってたのに
女だけのサークルで宝塚みたいに男役と女役に分かれてするらしい

陽菜はもちろん女役

麻里子は二年のくせに男役の主役をしていて
悔しいけどカッコよかった

演じてみると思ったより楽しくてハマっちゃった

負けず嫌いな陽菜は努力を人には見せない派
て言うか努力って何?

好きな事をやってるだけだから全然辛くないし
当たり前のことをしてるだけなのにね


二年生になると当たり前だけど新入生が入って来た

今年は使えそうなのは一人だけか・・・・

あのちっちゃい二人はどうするんだろ
小間使いの役しか出来ないんじゃない?
それに二人共オドオドしていて
陽菜の一番嫌いなタイプ

なのに陽菜の衣装係だなんてあり得ない

麻里子に散々文句を言ったのに
才加が決めた事だからって取り合ってくれないから
部活へ行くのを拒否して抵抗してみた


まさか麻里子があの子を家へ来させるなんて思ってもいなかった

男は別として
他人を家に呼ぶのが嫌いな陽菜を知ってるのにあり得ないから


その日は鍵をかけ忘れてたみたいで
リビングでやってる最中にドアが勢いよく開き
叫びながら中へ入って来たちっさい子

固まったまま動かず・・・
状況を把握するまでに時間かかりすぎだし(笑)

男に出て行けって言われて
我に返ったのか慌てて出て行った(笑)


「なんだあいつ(怒)」

「・・・・・さあ?(бвб) 」

「まあいいや」

そう言ってまた腰を振ろうとするから
ドンと体を押し下に落とす

「何するんだよ(怒)」

「萎えたから帰って」

「はぁ?意味分かんねえ」

「早く帰らないと警察呼ぶから」

「何言ってんだよ」

「痴漢に襲われましたって言うよ」

「お前がそう言うプレイをしたいって言ったんだろ」

「どっちの言い分を信じると思う?」

「くそっバカ女(怒)」


そう吐き捨て出て行った

ガラ悪いし下手だし最悪
今回は早まったかな(汗)


そうだ、鍵閉めなきゃ・・・


裸のまま玄関へ行くと見覚えのないカバンが置いてあった
中身を見ると沢山の教科書と学生証


「大島優子・・・・ふっ(笑)
からだはちいさいのに大島って笑う」


それにあの顔・・・
やってる所をあんなにガン見されたら
いくら陽菜でも恥ずかしいし(笑)


陽菜あした三時間目からなのに・・・
はぁ・・・・仕方ない
早めに行って落とし物ですって事務所に持っていくか