「小嶋さんタイム測るのお願い」

「はい!」

高校に入ってクラブに入るなんて思ってもいなかった
それも陸上部

もちろんマネージャーだけど
運動が苦手な陽菜が運動部だよ

中学から友達のみーちゃんが
嵐が来るからやめてよって言われたくらいレアな事

「山本さん12.16です」

「次優子」

優子さんだ・・・・・綺麗なフォーム
体は小さいのに大きなストライドで凄く速い


かっこいいなぁー・・・なんてったって私
この走る姿に魅せられ陸上部に入ったんだから

「小嶋・・・小嶋!」

「はい(汗)」

「今のタイムは?」

あっ・・・・スタート押すの忘れてた(汗)どうしよう・・・

「まさかちゃんと測れてないの(怒)」

「ん?どれどれ・・・あぁー12・21か
このタイムじゃ言いずらいよね
無しにしてもう一度走らせてよキャプテン」


00.00のストップウォッチなのに・・・
優しい優子先輩


「タイムトライアルは一日一度の決まりだから
例外は認めません」

「ケチゴリラ(-∀-`) 」

「な、なんだとー(怒)」

追いかけ合ってる二人

「次、佐江が走るんだから静かにしてよ
陽菜ちゃんタイムよろしく」

「はい」

優しい宮澤先輩とキャプテンの秋元先輩
それに・・・・・優子先輩

三人は心友トリオって言われてるくらい仲が良くて
いつも一緒に居る・・・・いいなぁー・・・・

クラブが終わると一年生が後片付けをする
マネージャーの陽菜も一年生だからお片付け

「お疲れ様でした」

部室に入るとスポーツブラとスパッツだけで
うろうろしている大きい人と小さい人

整った体でいつも見とれてしまう

ダメダメ早く着替えなきゃ

動作の遅い陽菜はいつも最後になっちゃうもん

Tシャツを脱ぎタオルで汗を拭いていると
視線を感じふと振り返ったら優子先輩と目が合って
慌てて向き直った

目が合ったって事は陽菜の方を見てたのかな?
ううん、きっと思い過ごし
陽菜の事なんて見てるわけないじゃん

だって優子先輩には・・・・

「優子まだ〜」

「今行く、じゃーみんなまた明日ね(´-∀-)
あっちゃんお待たせ」

「おそーい」

家が隣同士で二年生の前田敦子さん
行きも帰りも一緒で
二人は付き合ってるっていう噂もある

陽菜はそれを眺めてるだけ

でもね、前田さんはクラブが違うの
だからクラブの間だけは
陽菜が見つめていてもいいですか