あなたは、高齢になって衰弱したり、脳卒中でマヒが残ったりすると、寝たきりになるのは仕方がない。寝たきり状態の人の身体機能を改善するためには、リハビリテーションしか方法がない。認知症は症状が徐々に進行する恐ろしい脳の病気だと考えていませんか。

この3つが、その通りだと思った人は、介護について誤解しております。こうした誤解は、一般の人だけではなく、ケアマネジャーや介護福祉士、ホームヘルパーといった介護の専門職であっても、同様に誤解をしている場合があります。

元々、介護は医療の看護分野から派生したため、介護手法の多くは看護分野で行われていた方法を模倣することから始まりました。

例えば、手術直後の看護は、安静を保って生活できるようおこなわれます。オムツや尿瓶を使ってベッド上で排泄し、食事もベッド上で摂ります。看護士や介護スタッフは、こうした行為を必要に応じて介助します。



寝がえりを打てない重症者や、意識不明の場合は、褥そうを予防するため、エアーマットを使い、体位変換を定期的に行います。入浴は特殊浴槽を使って、寝たままの状態で介助者が全身を洗います。 看護の分野でおこなわれてきたこのような方法を、介護の分野でも同じように行っております。

専門職を含む多くの人が、このような誤解をしていることが、介護の質を上げる妨げとなっております。

すなわち、高齢者に対する医療や介護に関する研究成果を、介護現場に取り入れ、普及させることがまだ不十分な面があるのです。

高齢な親の【介護負担】を軽減するためのお役立ち情報