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『忘年会をしよう!』 4

二次創作小説『忘年会をしよう!』 3の続き。






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「流石です! 先生!」


目の前で倒れるは、デコル・マリューダ。惑星ウォパルの海底に潜むダーカーである。
今日はアークス学校に通う、 ルベルトとロッティに頼まれて共に出撃している。ルベルトはエネミーの弱点についてロッティは侵食核付きエネミーについて日々調べている。


「でも、なかなか侵食核が付いたのが出てきませんね……」


実はデコル・マリューダ討伐をするのは連続四回に達していた。自身の経験上、侵食核付きの中ボス以上のエネミーが出てくる時は出てくるが、出てこない時は本当に出てこない。以前は、侵食核付きデ・マルモスを求めて三十回以上任務に出たが、一匹たりとも侵食核が付いていなかったのだ。

世界は、ダーカーの支配を受けつつある。エネミーがダーカーに侵食されることが増えているとは聞くが、本当にそうなのか。疑うくらいに出てこない物である。
それをロッティに伝えると、酷く驚いた様子を見せた。


「私は……難しいことを先輩に頼んでいたんですね……。それでも引き受けてくれるなんて……私、これからは出来るだけ先輩と――」

「危ない!」

「えっ……!?」


ルベルトがロッティに体当たりをした。水面がしぶきを上げ、ロッティとルベルトは滑るように倒れ込んだ。咄嗟に二人の前に立つ。
ロッティがいた場所には、巨体――ダーク・ラグネが雄叫びをあげていた。


「どこから出て来たのでしょうか!?」


ルベルトが隣に立ち、銃を構える。ダーク・ラグネは最強クラスの侵食核を付けていた。だがルベルトはアークスの学生であり、まだ正規のアークスではない。このクラスのダーク・ラグネに太刀打ちなど出来るわけなかった。


「うっ……!」


ダーク・ラグネの一撃でルベルトは吹っ飛んだ。ロッティが名前を叫ぶが、ダーク・ラグネは彼女にも近づく。

――させないっ!

ダーク・ラグネに攻撃を仕掛け、注意をこちらに向ける。そして、ロッティにルベルトを連れて帰還するように命じた。
最初は首を縦に振らなかったロッティだが、こちらの苦戦を見て自分じゃ無理だと悟ったらしい。
ルベルトは何とか歩けるようだったので、苦労することなく二人は帰還できた。


《二人の帰還を確認しました。あなたもテレポーターに走って下さい!》  


管制の声が通信機越しに届く。しかし、侵食されているだけあってダーク・ラグネの暴れっぷりは凄まじい。
テレポーターまでとても辿り着けそうになかった。通常であれば戦えるが、連続四回のデコル・マリューダ討伐で疲労が溜まっている。攻撃を避けることが出来ない状態だった。


《何とか辿り着けませんか!?》


テレポーターを探すと、ダーク・ラグネの巨体の向こう側にある。そのことを管制に伝える。


《すぐ近くにいるアークスを探します。援軍に向かわせますので、それまで持ちこたえてください》 


確かに、アークスシップから惑星ウォパルまで時間がかかる。近くのアークスを探した方が早いだろう。しかし、誰かいるだろうか?
アークスは忘年会の件で忙しい人が多い。会場は惑星アムドゥスキア・浮遊大陸にするとこの前、ウルクが言っていたのを思い出す。龍族の巫女、コ・レラが繋ぎ役をしてくれたお陰で安全に忘年会が出来るという。(まぁ、コ・レラが自分も参加したいとはりきったらしく龍族とアークスの壮大な共同忘年会になったと言っていた)
そのため、今この星に来ているアークスはほとんどいないかもしれないのだ。

ダーク・ラグネの次々繰り出される攻撃に避けてばかりいたが、最早体力の限界である。目の前に迫る、ダーク・ラグネの腕を見ていることしか出来なかった。。






(続く) 
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四月になっちゃったw
のんびり更新w

『忘年会をしよう!』 3

二次創作小説『忘年会をしよう!』 2の続き。






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アークスシップに戻り、向かったのはゲートエリア二階。訳あってとても人気を誇るクロトというアークスの周りには、今日も多くの人だかりが出来ていた。それはもうアイドルのよう。
それを横目に彼の向こう側に歩みを進めると、ひっそりと佇む女性が一人。
――ユクリータ。そう、アフィンの姉である。

挨拶をすれば「何だ、あんたか」というような視線を向けられる。


「何か用?」


かつてはダークファルス【若人】 として、アークスと敵対していたユクリータ。まだアークスシップに馴染めていないらしく、独りでいるばかりだ。他のアークスとの交流すら出来ていないだろう。
しかし、こちらが話しかけると少し嬉しそうな表情になるのは気のせいだろうか。現に今も話しかけると、緊張が緩んだような顔になった。

アフィンを知らないか、と尋ねる。ユクリータはいつもアフィンがいる所が見える場所にずっといる。何か知っていそうな一番の人物だ。しかしユクリータは


「 さぁ? 知らないわよ」


と背を向けた。


「アフィンにはアフィンの考えや意思がある。 もう子供じゃないし、一々アタシに言わない」


そうだよね、と呟いた。
こうなったら地道に探すか、偶然会うのを期待するしかない。礼を言って立ち去ろうと思った時、ユクリータが静かに口を開いた。


「……ただ、最近はどこかに行ってばかりみたいよ。ゲートからよく出て行くのを見るわ。帰ってきても誰かと話してまたすぐ出て行く。 本当、何やってるのか……」


最後のは独り言のようだった。ブスッとした表情を見せるユクリータの横顔は、寂しそうで……。
それを指摘すれば、その眉間に皺が寄った。


「アタシが? 寂しい……?」


違うのだろうか?


「別に。そんなんじゃないわよ」


結局、それ以上の情報は得られなかった。






(続く) 
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もう三月\(^q^)/

『忘年会をしよう!』 2

二次創作小説『忘年会をしよう!』 1の続き。






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「はいはーい! アークス一の情報屋、パティエンティアのパティちゃんですよー!」

「ちょっと、バカ姉。いきなり叫ぶように声かけるから、この人驚いているじゃない。あ、どうもティアです」


凍土を探索中、双子の情報屋姉妹のパティとティアが声をかけてきた。何の前触れもなく後ろから呼ばれたので、少々驚いてしまったが割とよくあることだ。


「今度、アークスの忘年会をするってあなたはもう聞いた?」


パティの言葉に頷く。


「なら話は早いね! その忘年会のコウ……?」

「広報ね。つまり宣伝活動」

「そうそう! コウホウ! それをアタシたちパティエンティアが任されたの!」


誇らしげに腰に手を当てるパティ。情報屋の二人は、頼めば調べてくれる上にあまり知られていない情報を持っていることが多い。それ故に顔が広い。通信で「忘年会をやります」 というより、彼女たちに言われた方が参加率も上がるだろうとウルクが考えたのである。


「それで色々な人に参加をお願いしているんだけれど、もう知っているようだし必要なかったみたいね」

「あなたは、もちろん! 参加してくれるよね!?」


迷わず参加すると答えた。するとティアが「じゃあ……」と口を開く。


「あなたの相棒――アフィンさんにお願いしてほしいんだけど……」


つい先日、姉をダークファルスの手から取り戻した相棒の顔が浮かんだ。
どういうことか、と問うと今度はパティが説明を始めた。


「いや実は、最近アークスシップに彼がいなくてさー! 出撃状況見てアタシたち追かけているんだけど、何故か会えなくて!」


アフィンがアークスシップにいない?
アークスになったばかりの頃に比べて、一緒にいる回数が少なくなった。だからアフィンの最近の行動は把握していない。この前は、姉であるユクリータと彼女の中から出て来たアウロラと共に行動していてアークスシップに帰ってきていないと言っていた。しかし、リリーパで【若人】の復活を前に皆で戻ってきたわけだ。
それなのに、またいない?
首を傾げるとティアが補足をする。


「どうやら一人でよく探索に出ているみたい。戻ってきても割とすぐに出撃しているらしくて、なかなか捕まらないの。私たち、他のアークスにも宣伝しなくちゃいけないしもしアフィンさんに会ったら、あなたから忘年会のこと伝えてもらえないかな?」


お願い、と頭を下げる双子に二つ返事で引き受けた。






(続く)

『忘年会をしよう!』 1 

はじめに

昨年末から書いていたけど間に合わなかった忘年会ネタ。小説です。
一応、主人公は女性だと思って下さい。PSO2のストーリーのように選択肢を作ろうと思います。PSO2のように主人公は直接喋りません(笑)

時間軸は、EP3の最後の外伝の後のつもりで書きました。

※PSO2の公式とは関係ありません。(内容は私の創作です)



――――――――――――





それは任務終わりでスペシャルウェポンを鑑定しようとした時だった。最近、アークスの管理に携わるようになった、ウルクという女性に呼び止められたのである。
何事かと足を止めると、ウルクは寄って来るなり突然


「忘年会をしよう!」 


と手を握ってきた。
事態が急すぎて呑み込めない。首を傾げる。


「あ、いきなりすぎたかな。実はね、テオと今年を振り返っていたんだけど、その流れでアークスの忘年会が出来ないかなってことになって……シャオ君に相談したら“うん、良いんじゃない”とあっさりね! まだ頭の中でどうするか考えているだけなんだけど、是非あなたにも協力してもらいたいと思って。……良いかな?」


事情を説明され、すぐさま頷いた。断る理由もない。
ウルクは笑顔で「ありがとう! また連絡するね!」 と言った。


◆     ◆     ◆



――次に忘年会の話を聞いたのは、それから数日後のことだった。マトイと任務に出て、その帰りのことだ。アークスのアイドル・クーナに会い、その話が出たのだ。傍にはイオがいた。


「忘年会の話、二人とも聞いたよね?」

「うん。シャオ君がはりきっていたよ」

「え!? そうなの!? 意外と乗り気……! まぁ良いや! そこで、私に歌ってほしいってオファーが来たんだけど、良かったら二人もどう? 四人で歌って踊らない?」


しれっと提案するクーナに驚く。まさかアイドルから一緒にステージに立たないかと直接話されるなど、思ってもみなかったからだ。 
しかし、それ以上に声をあげたのはイオだった。どうやらそんな話、聞いていなかったようで……。


「え!? ちょっと待ってくれよ! 四人ってオレも入っているか!?」

「当たり前じゃん。まさか、アイドルからの直接なお願いを聞けない、なーんてことはないわよねぇ?」

「! オレはイヤだ! そんなっ、皆の前で……!」


頑なに拒否するイオに、クーナはじーっと目を細めて見つめる。 人前に出るのを苦手とするイオは、どう逃げようか考えているようだった。
が、その時。


「嫌がる人を無理に動かそうなんて、酷いと思いますよ。クーナさん」

「……げっ」 


そこには、六芒均衡の三であり三英雄の一人でもあるカスラが立っていた。


「何か用?」

「相変わらず冷たいですね。レギアスが呼んでます。六芒全員集合です」

「えー……しょうがないなぁ。じゃあ三人共。一緒にステージ、考えといてね!」


クーナは手を振って、カスラと去って行った。


「……カスラさんのお陰で助かったよ」

「イオちゃん、本当に苦手なんだね」

「そうなんだ。別にクーナさんや先輩、マトイさんと一緒ってのが嫌ってわけじゃないからな。やっぱ人前で何かを披露するのオレの性分じゃないっていうか……」

「うん。分かってるよ。私もちょっと苦手かも。楽しそうだけど、本物のアイドルさんとやるのは緊張するよね。あなたはどう?」



<1、平気>
<2、苦手>



―――――――
<1、平気>

「え、すごいな先輩。さすがだな」

「うーん、皆でやれば大丈夫かもしれないよ?」 

「……やっぱオレやらなきゃダメなのか?」


イオは肩を落とした。 




―――――――
<1、苦手>

「やっぱそうだよな!」

「でも、せっかく誘ってくれたのに、皆で断れないよね」

「だよな……やっぱオレやらなきゃダメなのか?」


三人で項垂れた。









(続く)

『凍土の王者』 〜第四章(最終章) あんなに頑張ったのに〜

「助けを呼ぶフォトンの気配! 助けに来たぞ!」 
「……」
「なるほど、相手はこいつらか」


まるでヒーローのように駆けつけた男は、異色のオーラを放っていた。あまりの衝撃に、唖然としてしまったアフィンだったが男の登場に心細さが一気に吹っ飛ぶ。


「あ、貴方は!?」
「はははっ! オレは君を助けるヒーローだ!」
「な、なんだかよく分からないけど、助かります! もうおれどうしたら良いか――」


新たな男の出現に、スノウ夫婦の目つきが鋭くなった。只者ではない、と感じ取ったのだろうか。
――そう、男はこう見えて選ばれたアークス集団・六芒均衡の一人なのである。


「このオレが来たからには、もう大丈夫! 共に戦おうではないか!」
「はい!」


男はナックルを取り出すと構えた。アフィンも隣に立ち並んだ。
スノウ夫婦が同時に襲い掛かる。アフィンは今度こそしっかり狙おうとスコープを覗いていたが、男が突然飛んだ。


「!?」


一瞬、何が起こったのか分からなかった。次の瞬間には、スノウ・バンシーは地面に倒れ、スノウ・バンサーは吹っ飛んだのである。


「へ?」
「ははは! 君が体力を減らしていたから、あっけなく倒れたぞ!」


倒された妻を見たスノウ・バンサーは怒りに震えた。しかし、男の前では無意味。襲い掛かった巨体をあっという間に殴り倒してしまった。


「す、すげぇ……」


アフィンの感嘆を背に、男は「いささか簡単な気もしたが……」と呟いた。が、すぐに「悩むのは止めだ!」と叫んで振り返った。


「困ったことがあったらまた呼んでくれ! おれは悩めるフォトンの気配を感じ取ったらすぐに駆けつけるぞ!」
「え? あ、はい! ありがとうございました! 助かりました! えっと――」
「はははは! ではまたな!」
「え、ちょ!」


男は名乗りもせず、颯爽と立ち去った。


「行っちまった……。誰だったんだ?」


アフィンの呟きに、すかさずヒルダから説明が入る。


「あれは、六芒均衡のヒューイだ」
「ろくぼうきん――って、え!? 六芒均衡!? あの六芒均衡!?」
「うるさい、叫ばなくても聞こえている。あいつは良く任務に出ているから、一般アークスとの遭遇率が高い」


六芒均衡――アークスの中でも最も生存能力の高い集団と言われ、あらゆる権限を持つ存在。それぞれが「創世器」と呼ばれる専用武器を所持している。創世器は量産することなく耐久性も無視しているが、性能が桁違いに高い武器である。六芒均衡だからこそ扱える、逆に言えば扱える者こそ六芒均衡になれる可能性があるのだ。


「まさか、そんなすげー人が助けに来てくれたなんて……」
「あいつは人助けが好きな男だ。見た目や言動的には強そうに見えないが、実力はとんでもない。お前は幸運だぞ。……さぁ、帰還許可が下りた。オーダー品を回収して戻ってくると良い」


近くにテレポーターが出現していた。アフィンは、スノウ夫婦から出た赤い大きな石を銃で撃つ。すると、石が割れメセタや武器・防具が出現した。


「ん? あれ?」


アフィンは何度も目を擦ったり、辺りを見回したりした。


「ない!」


目的としていた「スノウ・バンサーの肉」「スノウ・バンシーの肉」がなかったのである。まさか自分で直接剥ぎ取らなければならなかったのだろうか?
大概、大きなエネミーの場合は最後に出てくる赤い石の中に(何故か)肉が入っているのである。


「何でないんだよぉおおおおお!!!」


寒い凍土、巨大で凶暴なエネミー。過酷な状況を乗り越えてクリアしたというのに、目的の物が入手できなかったということはもう一度同じのを体験しなければならないのだ。
アフィンは、膝を着き途方にくれたのであった。

ちなみに、肉がドロップしなかった理由は受注難易度が違ったためであった。肉を得るためには、難易度ハードを受けなければならない。が、アフィンが苦労して達成したのは難易度ノーマルだったのである。
アフィンはまだこの事実に気付いていなかった――。





END






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〇あとがき〇

最終章です。
アークスになって間もない頃のアフィンを書きたかっただけなんですけどねw
レベルが上がると、ノーマルなんて信じられないくらい簡単で部位破壊する前に下手すると倒しちゃいます。でも、始めたばかりにの頃はサブクラスもまだなく……凍土のボスは遭遇したくないエネミーでした(+_+)
とりあえず、これにて最初の小説は終了です。 ありがとうございました。

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