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最後の時間


話題:SEX


2日の夕方、
約束の日がやってきた。

6日には東京にたつKさんと
お泊まりの日
最後の約束の日。


いつもよりたくさん笑ってたくさんお話をした、
お酒もほどほどに、いつもの安いホテルに行く。

短い距離を精一杯の力を込めて手を繋いで歩いた


お互い寝不足だったから一時間だけ寝ようって、
本当は寝る時間すら惜しかった
本当にもう会えないのに呑気に寝るなんてしたくなかったけど、

Kさんの腕枕に夢ごこちになって起きたときには朝方。


一緒にお風呂にはいって抱かれて、最後だって分かってたからおねがいした

「Kさん…中がいい」

「分かった」

そんなもので埋められる隙間ではないのに
何かが欲しかった
彼女にも渡してない何かを貰いたかった。


こんなことでKさんは私のものにはできない、
そんなことしたってKさんは彼女のもとにいってしまう。

いつも以上に離れない私の気持ちはKさんにも伝わってた


「今日、別れたあと一人で泣くんでしょ。綴はそういう子だよね」
「電車の中で泣かないか?帰り道泣きながら歩くんじゃないのか」

「大丈夫ですよ
泣かない、大丈夫です」

「綴?寂しい??」

「寂しいです
すっごく寂しい」
「…Kさんは、寂しくないの…?」

いつも寂しいと言う私に「ごめん」と謝るだけだったKさんの本音が知りたくて聞いてみた

「はぁ…
綴、あのね…

めっちゃ!寂しいから!」
「寂しいに決まってんじゃん!俺、ずっと隠してたけどすっげぇ寂しいんだから!」

「寂しいんですか?
どれくらい??
全身で表現してみて?」

「無理、全身でも足りない」


嗚呼、そうだったんだ。
Kさんも寂しいって思ってたんだ。
私の独りよがりじゃなかったんだ。

それが知れただけでも
私の寂しさが埋まった気がしました。

私が寂しかったのは
会えなくなることや、Kさんを失うことじゃなくて

寂しいのが自分だけなことだったんだ、
でもそうじゃなかったから
なんだか私大丈夫な気がした。

同じ気持ちがひとつでもあるなら
前を向ける気がした。


「じゃあ、そろそろ行こうか」


駅までの短い距離を
今度は手を繋がず歩いた。

お別れの時間を少しでも伸ばすためにゆっくりと歩いた


「それじゃあ、連絡するから…
ちゃんとでてね
気をつけて帰って…」

「はい。大丈夫ちゃんと帰れます」

「うん それじゃあね」

「さようなら」


Kさんはいつも私に
「そんな寂しそうな顔しないで?」って言ってたのに
別れ際初めてみる寂しそうな顔がとても印象的だった。

だから私はしっかりと前を向いて歩いた。

お別れの時は絶対に泣いてしまうと思ってたのに、びっくりするほど私はしっかりと歩けた。

家までの道のりをKさんとの思い出でも振り返りながら歩こうと思ってたのに、
別れて15分ほどで着信音が流れて
画面にはKさんの名前がうつっていて
電話をとると聞こえたのは


バカみたい
本当にバカみたいに優しい声


「もっしもーし、



泣いてない?」





嗚呼、あなたは私を離さないんだ

私はあなたから離れられないんだ


私の最後の時間は
まだ続いているようです。


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