(ネタバレつづき)






玄武を召還した多喜子は
2つの願いを唱えます。


「───── 開 神!!」

「この国に再び春を 取り戻す!!

     青空を!!緑の大地を!!」


雲に覆われていた空から
何ヶ月ぶりかの太陽が現れ、民は喜びます


そして一つ目の願いを唱えた
多喜子の身体は玄武から喰われ始めます。


「負けないわ…まだ…願いは残ってる」

「 開 神!!

  この国にいる生命あるもの

             すべての回復を……ッ」


地鳴りが始まり

壁宿「 星命石 水二還ル  サヨウナラ 巫女 」

地下から
碧い色の水が吹き出してきます

壁宿「 壁宿 『生命の水』二還ル 
     巫女ノヨウニ 皆ヲ助ケル… 

           アリガトウ 巫女──────── 」


壁宿は水に還り、アンルウさまのもとへ


星命石が「生命の水」に還り
大地に降り注ぎ
敵味方関係なく兵士たちの傷を治します。


二つ目の願いを唱え
さらに玄武に喰われ苦しむ多喜子


「…めろ やめろ玄武…ッ」

「(体内の玄武が 私の身体を喰い破っていく)」


背中は完全に甲羅に覆われて
左手までも玄武化していく


「(もう…もたない!!)」


   “ 多喜子 ”

 「聞こえるか多喜子ッ!!」


目の前には
手のひらにナイフを刺した父の姿が────


「やっと お前とつながった」


「お前と私は「父と子」だ

  …すれ違って…悲しい思いもさせ

  こんな運命に お前を巻き込んだ…
  どうしようもない父親だが

  それでも こうして私たちに流れる血は…

  つながっているんだ… 」

「お父… ウ… アッ」 メキィッ

「多喜子ッ!!」

「もういい多喜子!
  …今父さんが助けてやる───!」

ドクン…


自分の心臓をナイフで刺す、父

血で繋がっている
多喜子の心臓にも衝撃が─────


多喜子は涙し、父にお礼を伝えます

後悔しないで とても満足している 
こんな素晴らしい人生を与えてくださって
ありがとうございました… と。

2人が分かり合え、父の姿が消える


女宿の腕の中─────


「…ごめんなさい… 女宿…
  父は… 喰われていく私を… 助けよう…と…」

「…分かってる 全部分かってるよ多喜子…!

  …よく…やった… よく…やり遂げたな…!」

「不思議…さっきまでの…
  苦しさが…うそみたい…なの」


苦しみから解放された多喜子は
北甲国をお願いね、と女宿に託します。


「────みんな…あり…がとう…」

「…多喜子 
  約束したな… 「俺の妻は永遠にお前だけ」 と

  お前が嫌だと 言っても
  例え 離れ離れになっても…

  俺は… 愛し続ける

  きっと 探して… 見つけ出して

  この腕から離さない…!」

「リムド… (抱きしめ)

  私は 永遠に
  あなたのこの腕の中よ… 」


多喜子はゴンドラの唄を歌いながら
リムドの腕の中で息を引き取ります。
同時に多喜子の父も。


そして銀の光が空へ登って行き、
玄武は王宮へ還っていきます。

その光景を見た総ての民、
命を救われた倶東国の兵士までもが
いつまでも巫女への頭を垂れ続けた─────


戦うのを拒否する兵士を見て、
倶東国は負けを認め、全軍撤退。

紫義は負けを認めず一人で向かうが
緋鉛と相討ちになり死亡します



─── 日本 盛岡では ───

駆けつけた大杉は
多喜子の父からの手紙で、すべて理解し
四神天地書の処分を託されます。

四神天地書を読み、

「多喜ちゃん… そうか
  君は最期 幸福だったんだね────

  良かった… 良かったね ──────」

多喜子の最期を知った大杉は、涙します。





戦からひと月、
北甲国と倶東国の間に和平調停が結ばれ
平和な日々が訪れます。


陛下の補佐として各地を巡ろうと
多喜子の廟に挨拶しにきた
フィルカと危宿を見て

牛宿「…なんだかんだ 危宿と皇女
          将来うまくいきそーだね」

それを聞いた室宿は
まだ子供なので理解できず。



一方、女宿はというと



太一君に呼ばれ、
黒黎神山を訪れていました。

思念体となった虚宿と斗宿に再会、
神獣召還で多喜子が身に付けていた首飾りを
2人に託します。

首飾りは「神座宝」として
虚宿と斗宿が護ることとなります。





後に、玄武の巫女の伝説は
民の間で語り告がれていきます


巫女様は最後のひとつの願いを
叶えていないって…本当?

みんな言ってるの 

玄武の巫女は
本当は帝…「女宿」と恋仲だったって

なのに… 自分たちの幸せは願わず
私たち民の幸福を一番に考えて下さった ────

だから今こうして春が来るんだよ

──── そうして力尽き…
亡くなっていかれたんだ

三つ目は残ってるの?

だから代わりに
みんながずっと願い続けてるんだ

玄武への…最後の願い
あなたたちもお願いしてね ────




そうして北の大地で幾重かの春が過ぎ
ちょうど百年目の春 ──────
かつて「風斬鬼」と呼ばれた
名君は 天寿を全うした


生涯 妃を持たず
従妹に当たるエフィンルカ皇女の

曾孫を世継ぎに育て
風となった ──────


臣民は巫女の記憶と共に
誉れ高き名君の
只ひとりへ捧げられた愛と
その生涯に胸を打たれた


そして祈り 信じた


今度こそ 巫女の
代わりに「最後の願い」が
叶えられんことを ───────



『生命の水よ 風を孕み 再び ふたりを大地に』

『何処の時代でも 世界でもいい』


『ふたりが再び巡り逢い
     二度と離れないように……』



生まれ変わった女宿と多喜子は再会。





───── これが 最初に紡がれし
        『玄武の巫女』の物語 ──────






何度読み返しても
涙が止まらないいいいい(号泣)


最後!感動ですね!
生涯多喜子だけを愛しぬく女宿は
かっこいい!!!!

ずっと鬼宿ラブだったのに
最後の最後で女宿に
持っていかれました。←


この記事を書きながら
虚宿と斗宿が気になって
ふし遊 朱青編の8巻(神座宝あたり)から
読み返したよオトハラ(笑)



話題:最近買った漫画