その絶望の口が開いて
私に愛を囁く度に
毒に犯されて行く蝶の様に
羽根が麻痺するのに気付く
ここから逃げる、
術が欲しいのに。
きっと、きっと。
愛される事は無いのだと、
分かりながらも。
ここで必死に麻痺した羽根を
舞い踊らせるのは、
彼をどう仕様もなく
愛しているから
私も、彼も
ずっと、ずっと
永遠を求めていただけなのに
(ぼくは何処までも何処までも、ひとりきりだと思う)
くるり、くるり
回る中で
くるり、くるり
巡る中で
君と一緒に
きっと、きっと
帰るのだと
きっと、きっと
結ばれるのだと
ふいに見せた瞬間の、
隠す様な君の涙は
きっと僕の一方通行な
愛
(離すまいと必死だった、失くすまいと藻掻いた、ああそれは)
人は形にはまった愛を求め
恋焦がれてゆく
そこに嘘があるわけでなく
真実だろうけど
こうで、なければならないと
そんな形にはまった日常に
愛はすり減ってゆくから
僕は君と、そんな風に
なりたくはなくて。
(ちゃんと愛していたんだよ、大切で大切で、泣きたかったんだよ)