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BT(幸村視点 短編)

 少しづつ秋が近づいてきた。俺はみんなといれない時期が多かったから、これからはずっと一緒にいたかった。

 真田や赤也に悪戯したり、帰りに誰かの家で遊んだりする何気ない毎日。俺たちは部活を引退したけどみんなと一緒に遊んでいる。勿論赤也も一緒に。
 こんな日々がずっと続いてほしかった。


 ある日俺たちは嘘の合宿に連れて行かれた。
 バトルロワイヤル、今回は立海のテニス部に決定したのだ。殺し合い。仲間を信じられなくなった人もいただろうけど、すくなくても俺はレギュラーのみんなだけは確実に信じていた。
 俺が裏切らなかったらみんな笑っていてくれるだろう。みんなにはずっと笑っていてほしかった。みんなの笑顔はきらきら輝いていた。俺はそんな笑顔をずっと見ていたかった。
 それに一緒に全国三連覇を目指した仲間だから裏切られるはずがないと信じていた。

 赤也を見つけた。
 だけど赤也は俺を恐怖の視線で見ていた。ボロボロと涙をこぼしながら。
「赤也?どうしたの?」
 ものすごく怯えているようだ。なにもしていないのに。赤也のこと信じてるのに。
「なんにも、しな・・・」
 言い終わるまえに赤也は逃げてしまった。胸が締め付けられるような痛みがはしる。

 いろんな人に会った。だけど、まともに話を聞いてくれたのは蓮二と真田ぐらいだった。他の人は言い終わる前に逃げてしまったり、ほかの人の悲鳴で俺の言葉がきこえていないみたいだった。

 みんなを捜しているときに誰かだいってた。
 もう「手遅れ」だと。みんな俺のことを信じてないと。
 それでも俺は諦めない。また、みんなの笑顔が見たいから。

 また赤也に会った。
 今度は武器のバットで俺を殺そうとしているみたいだった。高くバットを振り上げる。そのとき、別に死んでもかまわないとおもった。でもこれだけはいいたかった。



「赤也。俺を信じて・・・」

あの時の青空@(オリジナル、架音視点)

 今日私は高校に入学した。
入学式を終え、クラスにきていた。
もともと友達の少ない私は仲の良い友達と高校が別々だった。
「西中出身、愛月有希。特技は体育です!スリーサイズ以外の質問なら多分こたえます。っていうか質問なんてないでしょうが(笑)」
 有希ちゃんっていうんだ。感じが良い子だった。

ついに私の番だ。
「ささささ西園寺架音です」
 一言はいえなかった。自分でどんだけ緊張してんだよってかんじだよー・・・はずかしい

「佐藤新。よろしく」
 一番さらっといってのけたのがこの人だった。
この人の半分でも勇気があったらなぁ。

まわりから黄色い声があがる。勿論女の子の声。
「清風中出身の楓月佑です。これから3年間よろしくお願いします」
 清風っていったら超有名中学だ。誰でもわかるぐらいの。
そしてかなりかっこいい。優しそうだし。

「架音ちゃんだっけ?あたし有希!希望が有るってかんじでゆうきってよむの」
 突然話しかけられオタオタしてると突然背後から声がした。
「有希、あんまいっきにはなしかけんな。ふつうびびる」
 さっきの子の登場にビックリしていた。
ふえ?あの二人ってどんな関係なの?
「新とあたしは幼なじみ!それだけ。顔にでてるよ!かわいいなぁ」
「なんか幼なじみで同じ学校ってマンガみたいですね」
 すごーい!女の子なら1度は憧れるよ!とはさすがにいえなかった。
「こいつに敬語つかうだけ無駄だ、架音」
「よろしくね!架音ちゃん」
 新君に有希ちゃん!新しい友達ができ、楽しくなるかな?
っていうか友達なのかな?

雪の積もった日(古長)

「みんないる?雪合戦するわよ!」
涼宮さんのとつぜんの声にSOS団の専属メイドさんがビクッとする。
「おいハルヒ。もうちょっと静かにドアをあけなれないのか」
涼宮さんは彼の声を聞き流してくるっと全体をみまわした。
「みんないるようね。みくるちゃんは着替えといて」
彼いわく、天使の着替えシーンをみてはいれないので部室からでる。
「なに一人でにやけている。気持ち悪い」
「SOS団に入ったのは5月のことでしたよね」
長いとここの部室にお世話になっていたんだなぁ。と改めて思う。
あの頃はSOS団にこんなに愛着がわくとは思わなかった。そしてTFEI端末に恋するとも思ってなかった。
「まあな。考えれば結構たったな。あんなに変な体験したもんな」
おそらく彼はTFEI端末同士の決闘、閉鎖空間への侵入、時間飛行などを思い出しているのだろう。
その後他愛のない話を続けていたら涼宮さんたちがでてきた。

雪合戦開始から二十分ぐらいたった。
長門さんや涼宮さんはあまり濡れていないが僕等はヒものすごくぬれた。
朝比奈さんは半泣きになりながら雪玉をなげている。長門の無表情でなげる玉は痛くないのにダメージをうける。涼宮さんはめちゃくちゃになげているから余計怖い。
長門さんがとつぜん近づいてきた。
「あなたは好き?」
僕には主語がない質問に答えられない。彼なら答えられるのか?、と考えると少し妬けた。
「あなたは雪が好き?」
雪。長門さんの名前でもある。おそらく彼女は雪が好きなのだろう。
「そうですね、どちらかといえば好きになるのでしょうか」
事実をそのまま伝えた。僕自身、雪は嫌いじゃない。人間の黒いところを洗いおとしてくれるかんじがするからだ。
「そう」
「でも有希は大好きですよ。誰よりも」
嘘じゃない。いままで言葉を話した中で一番嘘が含まれていないないかもしれない。そのぐらい長門さんが好きだった。
「そう」
言葉はさっきと一緒だった。でも、決定的に違うところがある。長門さんは微笑んでいた。薄くだかはっきりと。
異世界で彼がみた微笑みはこのようなかんじだったのだろうか。だとしたら彼は目眩がしたにちがいない。
どうやらこの世界で長門さんの微笑みをみたのはほどには僕だけのようだった。少しだけ、彼に勝ったような気がした。
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