(デンジと瓜親子の話。)


ある日、デンジの元に1件の着信があった。


デンジ「ん? ヒョウタか?」


相手はクロガネシティのジムリーダー、ヒョウタだった。


ヒョウタ「デンジくん! 僕、こないだガラルに行ってきたんです。今からお土産持って行きますね!」


デンジ「あいつ、いつの間にガラルなんか行ってたんだ?」


数十分後。


ヒョウタ「こんにちはー」


トウガン「おっす!」


デンジ「おう。…ってか何でトウガンさんまで…」


ヒョウタ「父さん何でついて来たんだよ!」


トウガン「いやぁ、仲良し親子のガラル紀行を、是非デンジくんにも聞いてほしくてね」


デンジ「トウガンさんも一緒に行ったんすか?」


ヒョウタ「まぁ、勝手について来ただけなんだけど…」


トウガン「そりゃあ息子のことが心配だからな!」


デンジ「いい加減子離れしろよ」


ヒョウタ「それでデンジくん、ガラルで捕まえたこのポケモンあげます! 電気タイプなので、気にいるかと思って…」


ヒョウタが持っていたボールから、1匹のポケモンが出てきた。


ワンパチ「ワンパ! ワンパ!」


トウガン「おお、可愛いポケモンだなぁ。でも父さんからしたら、ヒョウタの方が5億倍は可愛いけどな!」


デンジ「……」


ヒョウタ「デンジくん? もしかして気に入らなかった?」


デンジ「…い」


ヒョウタ「え?」

トウガン「何て?」


デンジ「何だよこいつめちゃくちゃ可愛いじゃねーか! この愛らしい瞳にキュートな尻! エンジェルとはまさにこいつのことー!!」


突然ワンパチを抱きしめるデンジ。


デンジ「本当可愛いでちゅねー。10万ボルトって知ってる? あ、ポフィンは好きかな? いっぱいあるから後で食べようねー」


ヒョウタ「…デンジくんのこんな姿初めて見た」


トウガン「まぁ、喜んでくれたから良いんじゃないか?」


後日、この様子をこっそり撮っていたトウガンは他のジムリーダー全員に動画を送り、デンジは笑い者にされたのは言うまでもない。


デンジ「うるせぇ。ワンパチが可愛すぎるからいけねーんだよ! 」


ワンパチ「ワンパ! ワンパ!」


そしてナギサシティでは毎日早朝と夕方、ワンパチと散歩するデンジの姿も目撃されている。


オーバ「あの引きこもりニートが、朝早くに犬の散歩なんて…(感動)」


デンジ「犬じゃないワンパチだ!」


ワンパチ「イヌヌワン!」


オーバ「イヌヌワンって言ったぞこいつ。やっぱ犬じゃねーか!」


ワンパチ「アフロワン!」


オーバ「は?」





おしまい。