「死なないでくれ」

そう言ったのは、私との行為に没頭したあとだった

「死なないでくれ」
繰り返した。死なないでくれと。
私の目も見ずに ついさっきの熱情も忘れて 彼は何かに恐れるように その言葉を繰り返した

私が目の前からいなくなっても繰り返しそうな程

なんていうつまらない人なんだろう

過去に囚われて