02:02 2020/5/21
話題:好きな画家

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
Joseph Mallord Wiliam Turner

【1775〜1851】
19世紀イギリスで最も偉大な風景画家。理髪師の子に生まれ、ロイヤル・アカデミーに学び、27歳でアカデミーの正会員となった。同年初めてフランスに旅行。ニコラ・プッサン(プーサン)やクロード・ロランの強い影響を受ける。1819年から三度イタリアに旅行。初期の忠実な描写は、これらの旅行を通し次第にロマン主義的なものに移り変わり、空と水と光の描写に集中、自由で幻想的な独自の風景画を創造した。彼の色彩画法はその後モネをはじめ印象派の画家達に大きな影響を与えた。孤独を愛した為、チェルシー地区の下宿屋に変名で隠遁生活を送り、知る人もなく世を去った。
《主要作品》
@『難破船』
(1805年/ロンドン、テート・ブリテン)
A『戦艦テメレール号』
(1838年/ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
B『雨、蒸気、速度―グレート・ウェスタン鉄道』
(1844年/ロンドン、テート・ブリテン)
《個人的に好きな作品》
@『太陽の中に立つ天使』
(1864年/ロンドン、テート・ブリテン)
A『ミルバンクの月光』
(1797年/ロンドン、テート・ブリテン)
B『ドルトまたはドルトレヒト:凪で停止したロッテルダムからの郵便船』
(1818年/イェール大学英国美術センター〈ポール・メロン・コレクション〉)

ラファエロ・サンティ(またはラファエルロ・サンツィオ)
Raffaello Santi

【1483〜1520】
イタリアの画家。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並んで盛期ルネサンスの古典的芸術を完成した三大芸術家の一人。画家であった父に学び、1500年頃ペルジーノの工房に入った。1504年にフィレンツェに赴き、巨匠達の作品から学び『テンピ家の聖母子』等を描き名声を得た。1508年にローマに移り、ユリウス二世の為にヴァティカン宮殿の教皇署名の間に作品を描き、1511年には同宮殿のヘリオドロスの間の壁画を制作した。ドナト・ヴラマンテの後を継いでサン・ピエトロ大聖堂の構築計画や古代遺跡発掘の監督も引き受けた。続いて教皇宮インチェンディオの間の壁画やキージ家礼拝堂の装飾等多面的な活動をした。
《主要作品》
@『美しき女庭師(聖母子と幼児聖ヨハネ)』
(1507年/パリ、ルーヴル美術館)
A『アテネの学堂』
(1509〜10年/ヴァティカン宮、署名の間)
B『キリストの変容』
(1518〜20年/ローマ、ヴァティカン宮美術館)
《個人的に好きな作品》
@『小椅子の聖母』
(1514年/フィレンツェ、ピッティ美術館)
A『ガラテアの勝利』
(1512〜14年/ローマ、ヴィッラ・ファルネジーナ)
B『サン・シストの聖母(聖会話)』
(1512〜14年/ドレスデン国立絵画館)

ルネ・マグリット
Lene Magritte

【1898〜1967】
ベルギーの画家。1916から1918年に掛けてブリュッセルの美術学校に学ぶ。キュビスムと未来派の影響を受けたのち、1922年頃ジョルジョ・デ・キリコの絵画を知り、シュルレアリスム風の絵を描く。1927年から1930年に掛けてはパリで詩人アンドレ・ブルトン、ポール・エリュアールらと交わり、シュルレアリスム運動に参加。互いに孤立する現実的物体の結合、並置、変貌を通じて言葉とイメージの関係に新しい光を当て、新鮮な詩的イメージを創造。のちのポップ・アートにも多大な影響を及ぼした。帰国後は没するまでベルギーを離れなかった。
《主要作品》
@『偽りの鏡』
(1928年/ニューヨーク近代美術館)
A『望郷の念』
(1940年/個人蔵)
B『白紙委任状』
(1965〜66年/宮崎県立美術館)
《個人的に好きな作品》
@『光の帝国』
(1953〜54年/ニューヨーク、グッゲンハイム美術館)
A『神のサロン』
(1948年/個人蔵)
B『人間の条件』
(1933年/ワシントン、ナショナル・ギャラリー)

アンディ・ウォーホル
Andy Warhol

【1928〜1987】
アメリカの美術家。映画制作者。ピッツバーグのカーネギー工科大学を1949年に卒業し、イラストレーター、グラフィック・デザイナーとして働く。1960年から絵画に着手し、新聞の紙面や広告をそのまま画面に移して描く事を始めた。のち、転写の方法を用いて印刷物や写真をシルクスクリーン版画に取り入れ、とりわけマリリン・モンローの顔写真を用いた作品が有名。写真や広告、パッケージ等を題材とし、アメリカのポップ・アートの代表的存在となった。映画制作の仕事も多く、『眠り』『エンパイア』等をはじめとする50本近くの作品を制作した。1975年4月に、日本で公開された恐怖映画『処女の生血』(英題は"Blood for Dracula")の監督を務めたのもウォーホル自身。
《主要作品》
@『ゴールド・マリリン・モンロー』
(1962年/ニューヨーク近代美術館)
A『二人のエルヴィス』
(1963年/ニューヨーク近代美術館)
B『キャンベル、トマト・スープ』
(1968年/ニューヨーク、メトロポリタン美術館)
《個人的に好きな作品》
@『自由の女神』
(1962年/ピッツバーグ、アンディ・ウォーホル・ミュージアム)
A『花』
(1964年/ソナベント・コレクション)
B『銃』
(1982年/ムグラビ・コレクション)

ポール・ヴィクトール・ジュール・シニャック
Paul Victor Jules Signac
【1863〜1935】

フランスの新印象主義の画家。アルマン・ギヨーマンの弟子。セザンヌ、ゴッホ、ゴーガンらの作品に学び、水辺の風景画に優れる。アンデパンダン展の創設に尽力。1908年から死去まで同会長を務めた。1884年の第一回展出品のジョルジュ・スーラの作品『水浴―アニエールにて』に共感。彼と共に点描主義を推進し、新印象主義運動の発展に尽力した。彼の作品はスーラの点描より大きな点を用いたモザイク的、装飾的作品が多い。絵画作品の他に、著書『ドラクロワより新印象主義まで(D'Eugene Delacroix au neo-impressionnisme)』(1899年)、『ヨンキンド(Jongkind)』(1927年)がある。
《主要作品》
@『七色に彩られた尺度と角度、色調と色相のリズミカルな背景のフェリックス・フェネオンの肖像』
(1890年/ニューヨーク近代美術館)
A『井戸端の女たち(井戸端のプロヴァンス嬢)』
(1892年/パリ、オルセー美術館)
B『赤い浮標』
(1895年/パリ、オルセー美術館)
《個人的に好きな作品》
@『サン・トロペの港』
(1902年/東京、国立西洋美術館)
A『マルセイユのノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院』
(1906年/ニューヨーク、メトロポリタン美術館)
B『緑の帆船、ヴェネツィア』
(1904年/パリ、オルセー美術館)

エドワード・ホッパー
Edward Hopper

【1882〜1967】
アメリカ合衆国の画家。ニューヨーク美術学校でロバート・ヘンリーに学び、1906年パリに遊学。1915年以後エッチングとイラストレーションに転向したが、1930年頃から再び水彩画と油彩画を描いた。写実主義的態度を貫き、市街や建物等を好んで描き、夜のレストラン、ひとけのない街路、無人の劇場等を主題とした孤独な雰囲気の作品が多い。
《主要作品》
@『灯台の丘』
(1927年/テキサス、ダラス美術館)
A『夜更しする人々』
(1942年/シカゴ美術研究所)
B『朝7時』
(1948年/ニューヨーク、ホイットニー美術館)
《個人的に好きな作品》
@『線路の日没』
(1929年/ニューヨーク、ホイットニー美術館)
A『日曜日の早朝』
(1930年/ニューヨーク、ホイットニー美術館)
B『海辺の部屋』
(1951年/コネティカット、イェール大学美術画廊)

カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ
Casper David Friedrich

【1774〜1840】
ドイツの風景画家。1794年から1798年に掛けてコペンハーゲンのアカデミーに学び、1798年ドレスデンに定住。1891年オットー・ルンゲを知り、C.カールスや作家のノバーリス、シュレーゲル兄弟、L.ティークらと共にロマン派のグループを形成。ドイツ・ロマン主義絵画の代表的画家となる。近景から無限の遠方に広がる神秘的な風景画を得意とした。24年ドレスデン・アカデミーの員外教授。正教授になる事なく不遇な晩年を送ったが、20世紀に入ってその人と画業が再発見された。
《主要作品》
@『山中の十字架 テッツェン祭壇画』
(1807〜08年/ドレスデン国立近代美術館)
A『樫の森の修道院』
(1809〜10年/ベルリン国立美術館)
B『氷海(難破した希望号)』
(1835年/ハンブルク美術館)
《個人的に好きな作品》
@『雲海の上の流離い人』
(1818年頃/ハンブルク美術館)
⇒母親が渡独した時に、実際に鑑賞したという。
A『港の光景』
(1815〜16年/ベルリン、シャルロッテンホーフ宮)
B『人生の諸段階』
(1835年頃/ライプツィヒ美術館)

クロード・ロラン
Claude Lorrain

【1600〜1682】
フランスで生まれローマで活躍した画家。本名は"Claude Gellee(クロード・ジュレ)"。ル・ローランまたはクロードとも呼ばれる。菓子職人の見習いとして1613年ローマに赴き、アゴスティーノ・タッシの影響で画家に転向。一時帰国した事もあるが、1627年以来ローマに定住。パウル・ブリルやニコラ・プッサンの影響を受け、明るい色調の風景画を描いて、教皇ウルバヌス8世に認められた。小川や海辺の前景、中景、後景にある光の微妙な変化を観察し、古典建築の簡素な構成を画面に配して、聖書や神話に取材した風景画を得意とした。
《主要作品》
@『カンポバッチーノ港の暁』
(1636年/パリ、ルーヴル美術館)
A『シヴァの女王の船出』
(1648年/ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
B『デロス島のアイネイアスのいる風景』
(1672年/ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
《個人的に好きな作品》
@『日の出の海岸』
(1674年/ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)
A『水車小屋』
(1631年/ボストン美術館)
B『牧歌的な風景:ローマ・カンパーニャ』
(1639年/ニューヨーク、メトロポリタン美術館)

アルフォンス・マリア・ミュシャ
Alfons Maria Mucha

【1860〜1939】
チェコの画家。イラストレーター。モラヴィアのブルノで初等教育を受ける。ウィーンで劇場の背景画を描く仕事をしたのち、ミュンヘンとパリで美術を学んだ。パリに留まり、ゴーガン、劇作家ストリンドベリらと親交を結ぶ。1892年出版社アルマン・コリンに就職。1894年以後の数年間サラ・ベルナールと契約し、彼女のポスター広告および衣装、舞台装置等のデザインを引受け、アール・ヌーヴォーのこの分野での代表的存在となる。1922年までに幾度か渡米し、1921年から1922年に掛けてニューヨークで個展を開いた。
《主要作品》
@『ジスモンダ』
(1895年/所蔵先複数)
A『黄道十二宮』
(1896〜97年/所蔵先複数)
B『ヒヤシンス姫』
(1911年/所蔵先複数)
《個人的に好きな作品》
@『羽根』
(1899年/所蔵先複数)
A『サクラソウ』
(1899年/所蔵先複数)
B連作『《四つの星》ー明けの明星』
(1902年/所蔵先複数)

オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー
Aubrey Vincent Beardsley

【1872〜1898】
イギリスの挿絵画家。殆ど独学で絵画を学び、ペン画による唯美的な挿絵を描いて当時のアール・ヌーヴォー美術に大きな影響を与えた。ラファエル前派や浮世絵の影響も見られる鋭い線の極めて繊細な筆致で、エキゾチックな幻想と病的感覚の世界を表現。5年足らずの短い活躍ののち持病の呼吸器病で没した。
《主要作品》
@『アーサー王』挿絵『愛の媚薬を飲むトリスタン』
(1893年/マサチューセッツ、フォッグ美術館)
A『サロメ』挿絵『踊りの褒美』
(1894年/マサチューセッツ、フォッグ美術館)
B『クライマックス』
(1894年/個人蔵)
《個人的に好きな作品》
@『ジークフリート(ニーベルングの指輪)』
(1892〜93年/ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館)
A『魔女モルガン・ル・フェイが円卓の騎士トリスタンに盾を渡す』
(1893〜94年/ケンブリッジ、フィッツ・ウィリアム美術館)
B『シンデレラの靴』
(1894年/個人蔵)

ノーマン・ロックウェル
Norman Rockwell

【1894〜1978】
アメリカ合衆国のイラストレーター。『サタデー・イヴニング・ポスト』誌の表紙を描いた事で知られる。美術学校アート・スチューデンツ・リーグで奨学金を獲得し、17歳の時にコンデナストからフリーランスとしての初仕事を依頼され、それ以降様々な雑誌向けに挿絵を提供した。1916年に初めて『サタデー・イヴニング・ポスト』に表紙絵を売り、その後47年間にわたって合計322枚に上る雑誌の表紙絵を描いた。1926年から1976年に亘って公式の『ボーイスカウト・カレンダー』も制作。第二期世界大戦中には『四つの自由』を描いた作品がポスターになり、戦時情報局によって印刷、配布された。緻密な描き手であり、細部を写実的に描く能力に秀でていた。平凡な家族や田舎町の情景を題材に、しばしばユーモアを交えて描かれた作品は、庶民からは愛されたものの、殆どの批評家からは芸術的価値や真の社会観察に欠けるとして、評価されなかった。1977年、大統領自由勲章を受賞。
《主要作品》
@『絵の評論家』(1955年)
A『逃亡者』(1958年)
B『三つの自画像』(1960年)
《個人的に好きな作品》
@『冒険(夢見る帳簿係)』(1924年)
A『クリスマス:ステンドグラス窓の中を覗く騎士』(1930年)
B『通行止め(交通渋滞)』(1949年)

参考文献・サイト※
〈ターナー〉
ターナー(1775―1851 イギリス ロマン主義) 画像と解説
(Earl Art Gallery)
●アサヒグラフ別冊 美術特集西洋編22『ターナー』
(朝日新聞社)
●ニュー・ベーシック・アート・シリーズ『J・M・W・TURNER ターナー』
(ミヒャエル・ボッケミュール/TASCHEN)

〈ラファエロ〉
●アサヒグラフ別冊 美術特集西洋編12『ラファエロ』
(朝日新聞社)
ラファエロ・サンツィオ-主要作品の解説と画像・壁紙-
(サルヴァスタイル美術館)

〈マグリット〉
●ニュー・ベーシック・アート・シリーズ『ルネ・マグリット MAGRITTE』
(マルセル・パケ/TASCHEN)
ルネ・マグリットによる絵画作品の一覧|MUSEY(ミュージー)

〈ウォーホル〉
●美の20世紀・16『ウォーホル WARHOL』
(二宮社)
アンディ・ウォーホル (Andy Warhol)作品の紹介・美術館リンク
(Earl Art Gallery)

〈シニャック〉
ポール・シニャックによる絵画作品の一覧|MUSEY(ミュージー)
ポール・シニャック-主要作品の解説と画像・壁紙
(サルヴァスタイル美術館)

〈ホッパー〉
ニュー・ベーシック・アート・シリーズ『エドワード・ホッパー HOPPER』
(ロルフ・ギュンター・レンナー/TASCHEN)
エドワード・ホッパー
(Earl Art Gallery)

〈フリードリヒ〉
ニュー・ベーシック・アート・シリーズ『カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ FRIEDRICH』
(ノルベルト・ヴォルフ/TASCHEN)
特集:カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ Casper David Friedrich ドイツロマン派
(Art IROIRO)
フリードリヒ (ロマン派)
(Earl Art Gallery)

〈ロラン〉
クロード・ロランによる絵画作品の一覧|MUSEY(ミュージー)
クロード・ロラン-主要作品の解説と画像・壁紙-
(サルヴァスタイル美術館)

〈ミュシャ〉
アルフォンス・ミュシャ-主要作品の解説と画像・壁紙-
(サルヴァスタイル美術館)

〈ビアズリー〉
オーブリー・ビアズリー
(Earl Art Gallery)
【美術解説】オーブリー・ビアズリー「耽美主義と装飾芸術の融合」
-Artpedia アートペディア/近現代美術の百科事典

〈ロックウェル〉
嵐の大野智さんも憧れるアメリカを代表する画家ノーマン・ロックウェルの絵を集めるまとめ
(NAVERまとめ)
●『ノーマン・ロックウェル展カタログ』
(ブレーントラスト株式会社編集)





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