午後6時過ぎ、阪急梅田の女子トイレの中の化粧直しのスペースは混雑していて冬なのに暑いくらいだった。
コートで着ぶくれながら皆真剣に大きな鏡の中の自分の顔を見ている。

隣の人が真剣すぎて口紅を塗るときに変な顔になっていようと、高校生くらいの若い女の子がチークをつけすぎていようと、決して笑わないのがこのスペースにおけるほぼ唯一のルールだと思う。
だって、皆がほぼ同じ穴の狢だ。


私だって、チークをつけすぎるほど大切な人に会うために今日ここに来て化粧を直している。



やっぱり今回もやり過ぎながら化粧室を出る。
チークは付けすぎだし、コンシーラーもつけすぎて浮いている。
それでも、これでいいと思って鏡を見るたびに、これでいいのか?と手を加えてしまうのだから仕方ない。


賑わっている待ち合わせ場所に立つ。ものすごく喉が乾いている。
握りしめた携帯電話が手の中でつるりと滑り、いつもはかかない手汗をかなりの量かいていることがわかった。


待っているとすぐにその人はやって来た。
「見つけた!」という感じの満面の笑みでこちらに向かってきてくれる。





近づいて、その人を認識する名前を表す部分が変化していることがわかった。
そう、その人はめがねをはずし、コンタクトをしていたのだ。
これじゃめがねちゃんじゃなくてコンタクトちゃんだね、と緊張を隠して軽口を叩いた。









というわけで水曜の夜、ブログ友だちのめがねちゃんに会ってきたんですよー(^-^)/

いつも冬に会うのですが、昨年の冬私がブログをお休みしたりしていた関係で今回は2年ぶり!




会って間もなくはかなり緊張してしまいました(;´_ゝ`)最初は目も合わせられず、手も震えてた〜(挙動不審)
なぜか私、女性と話すときに物凄く緊張してしまうんです。
自分も女性なのに、変ですね。

しかしめがねちゃんと話しているうちにその優しさからかすぐに緊張は解けました!



めがねちゃん、すごく変わってた!
以前会ったときは可愛らしい女の子という感じだったんですが、今は紛うことなき美人!!
いやー、美人でしたー。


めがねちゃん行きつけのおしゃれなカフェで晩ごはん!雰囲気もすごくいいしごはんもおいしかったなー。




話したことはたくさんあったけど、内容は主に『色々あったよね』と『色々あるよね』。




二十代の私たちは2年前の冬に現在地として話していた場所にはもういなくて、
2年前の冬には予期すらしなかった場所に今立っている。
めがねちゃんはあの頃勤めていた会社から今の会社に転職したし、私は仕事を辞めて大学院に入った。


そんなことも私たちの変化だったけど、精神的なことも、きっと変わっていた。




印象的だったのはめがねちゃんの一言。

「2年前ならきっと許せなかったことも、あぁ、そんなこともあるかもなぁと思えるようになってきた」という言葉。


どこかオレンジがかったお店の光に照らされためがねちゃんのイイ笑顔を見て、
きっと、地面に栄養が行き渡るように、
おいしいものの滋味深さが口いっぱいに広がる時のように、
じわーっと自分の許容範囲を広げてきたんだろうな、
そしてその要因はこの2年間に重ねてきた経験や感情の動きなんだろうなと思えた。

それと共に、お互いが経てきた2年間という長いんだか短いんだか分からない年月を実感した。



そしてそれは私もきっとそう。

色々なことがあって、自分の中の許容範囲が以前より広がっていることを感じる。他人に対しても、自分に対しても。





話すことも少し変わったかもしれない。
めがねちゃんの発した「キャリア」という単語に、私は心の中で少し動揺した。

そうなのだ、私たちには考えることがこの2年で倍以上に増えた気がする。仕事の事、結婚の事、妊娠・出産の事、自分達の生き方、つまりキャリアの事。



私たちは自分や他人を以前より上手に許せるようになってきた代わりに、
常に誰かに急かされているような気がする。

ある程度上手に今を生きられるようになったんだから早く未来を考えなさい、時間がないのよ、とにかく時間がないのよ、と。

誰が私たちを急かしているのかはさっぱり分からないんだけど、私もめがねちゃんも「焦るよね」って何度も呟いてた。




もちろん恋愛の話もいっぱいしましたよ!
私の彼氏の事、めがねちゃんの片想いの事!
ここでは詳しくは語りませんが、いい感じと思うけどなー、めがねちゃんの恋!




色々と現実的な話をしたけど、お店を出る頃にはすっきりしていた。

私たち、まだまだ若いじゃないか、まだまだ色んなことができるじゃないか、って心の中で呟いた。まだまだ頑張れる。色んなものを守ったりしながらも、きっと。焦ったりもするけど、でも大丈夫。








帰りはJRで帰るから、ふたりで大阪駅へ歩いた。
見上げると、ライトアップされたHEPの赤い観覧車。道の脇にある飲み屋さんからは、私たちが中高生の頃に流行っていた音楽が流れてきている。


「頑張ろう、あゆも歌ってるし」

普段浜崎あゆみさんの歌をあまり聞かない私が脈絡なくこんなことを言うと、


「わりと前の歌やけどな!」

って横からめがねちゃんの元気な声が聞こえた。







緊張した。
笑い合って、
でも真剣に話した。
正直に気持ちを打ち明けて、
でも少し背伸びもした。


お互いへの言葉の中で気付いた、自分の思いもあった。
相手の色んな事がうまくいけばいいなって柄にもなく純粋に願ってみたりして、
それでもどうしても自分の中にある真っ直ぐなプライドが言葉の端々にでてきたりして。


色んな事を話して焦ったりして、それでも、帰り道には元気になった自分に気づける。まだまだ頑張れる気がする。



それが友だちなんだなぁって思った。
私は水曜の夜、友だちに会った。



分からない何かに焦りまくってた25才の夜。
それも、いつか思い出になるのかな。
その時にはまたふたりで話せたらいいな。

めがねちゃん本当にありがとう。
滋味深い、いい夜でした!
一年後と言わずまた近いうち遊ぼうね(^-^)/





※すみません、コメントのお返事あとでします!寝ちゃったら明日します!←