気づいたらあたしはここにいた。
1人ぽつん、周りには木しかない。
…ここはどこ?
そう思ったとき、突然あたしの耳に歌声が入ってきた。
まるで「こっちだよ」と言ってるような…悲しげな歌声。
気味が悪かった。
逃げようと思った。
けれども、行くあてのないあたしはどうしようもない。
あたしは、その歌声の元に行くことにした。
夢って…あぁ、これは夢なんだ。
夜寝るときにみるあの【夢】
───えぇ、そうよ。私はあなたの夢に出てくる人なの。
そうなんだ…
にしても、夢って断言する夢もなかなかないよなぁ
変な夢。
───ねぇ、良かったらあなたが今までみてきた夢、もう1度みせてあげようか?
え、そんなことできるの!!
───簡単よ。あなたの夢ぐらい…
なにその言い方ー
まぁいいや。じゃあ…お願いできる?
おもしろそうだし♪
───いいわよ。じゃあまずこの夢からね。
ーっと、ここは…
「あみちゃーん!!はやく行こー!!」
あ、思い出した。
これから幼稚園のえんそくだ!!
昨日ママにお弁当に玉子焼きいれてっ、て頼んだんだっけ
ちゃんといれてくれたかな〜♪
「あいちゃんまってー今いくっ」
はやくバスに乗らなきゃ
先生におこられちゃう!!
幼なじみのあいちゃんと共に、あたしはみんなが待ってるバスに乗りこんだ。
「あい、すごく楽しみだったんだ♪今日のえんそくっ」
「あたしもー!!けどさ、今日どこ行くんだっけ??」
「あみちゃん忘れたの??なんかねーお花がいっぱいあるとこだって♪」
「そうなんだ!!はやく着かないかなー」
まだまだ子供であるあたしたちは、純粋にえんそくを楽しみにしてた。
当然、今日おこることなんて誰も知らなかったんだ……