茜です。

なんだか、ネタをひねり出す事が出来ずに毎回辞書で言葉探ししてます(笑)いつもはよく知ってる言葉が出てきたりするのですが、今日は知らない言葉ばかりです。だから、上手く話も出てきません。集中力がいつもより出てない気がするからかな、きっとそうだ。とりあえず、どーぞ。話題:創作小説





『アンナの花』



 鳥のさえずりが聞こえる。アンナはベッドから起きだして、カーテンを勢いよく開けた。日の光が窓からいっぱいに入って、部屋の中を照らす。

 アンナは一つのびをして、スポンと脱いだ寝巻をベッドに投げ、階段を駆け下りていった。

「母さんおはよう! 父さん達起こしてくるわね」

 母さんの返事を聞くと、アンナは階段を駆け上っていき出てきたのと隣のドアを開けた。

「父さんおはよう!」

 ベッドを軽く二度叩き、アンナはカーテンを開けた。父さんが起きるのを見て、隣の部屋に移った。そこには毛布にくるまった小さな芋虫が三つ。

「ほら、起きなさい」

 芋虫から毛布を取り上げ人間にすると、手早く服を着替えさせていった。

「ねぇちゃん眠い」

「でも朝よ。太陽にごあいさつしてきなさい」

 弟達を部屋から追い出すと、簡単にベッドを整えて母さんの元へと戻った。



 朝食を食べ、父さんを仕事に送り出し、弟達が外に遊びに行くとアンナは庭へ向かった。じょうろを持って、花に水をあげていく。花を育てることが、アンナの趣味と言えるものだった。

「きれいに咲いてね」

「大きくなってね」

 笑顔で話しかけながら水をあげていく。庭に仕切りの柵はないので、少し遠くのよく刈られた芝生の所までアンナはいつも行っていた。





 昼食の片付けが終わると、弟達におもちゃを渡し、アンナは自分の部屋で窓辺の椅子に腰かけた。この窓からは自分が育てた花達が少し遠くの芝生まで見える。お気に入りの場所だった。

 
 しばらくすると、芝生を踏むいくつかの音と小さな馬のいななきが遠くから聞こえた。アンナは息をのんで、窓の陰に隠れる。そっと窓の外を見やりながら、耳を凝らす。

「やはり、外の空気はいいな」

「さようにございますね」

 アンナが世話をした花達の前で一行の歩みが止まる。すると少年が白馬から降り、花に顔を寄せた。

「花とはいいものだ。姿も美しく、芳しい」

 少年はアンナの育てた花の匂いを嗅ぐ。

「特にここの花は申し分ない……」

 アンナは幸せそうに頬を赤らめた。


 少し遠くの芝生道は、王子の乗馬や散歩のコースになっていた。ある時、アンナは庭にいて通りかかった王子と遠くでほんの少しの間だけだが目が合った。彼が王子だからという理由ではなく、動けなくなった。また会いたいと思ったが、町娘のアンナはまっすぐに王子を見ることが許されてはいなかった。

 花の好きな王子は綺麗な花を見ては、近寄って観賞する。花の世話が好きなアンナは、前より一層綺麗に花を咲かそうとし始めた。王子が花の前で足を止めてくれるように。花を愛でてくれるように。

 月に一つは新しい花を植えた。とげのある花はとげができるだけ痛くない種類を選んだ。王子がけがをしないよう、安心して触れるように。


「王子様、気に入られたのならいくつかたおって持って帰られますか?」

 傍の家臣にそう尋ねられて、王子は声を少し荒げた。

「何を言うか! たおれば、すぐに萎れてしまう。……植物は野に生えているのが一番幸せなのだ。それに、大切に育てられたのがわかる」

 家臣たちが深々と頭を下げた後、一行は帰って行った。




 アンナは泣きそうな顔で笑ってから、掃除をする為に部屋を出た。


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『アンナの花』


 今回出た言葉は「くっぷ」だったかな? よくわからないですけど、身分の低い女の人のことだそうです。ということで、身分違いみたいなところで書いてみました。


 深読みしてくださるなら、王子が何を考えているのかや、最後のアンナの気持ちなんて考えてみてもらえると嬉しかったりします(^‐^)どう読まれたのか気になりますね。



それでは、毎度になりますが、感想・アドバイスなどもらえたら嬉しいですm(_ _)m