2015/3/30 Mon 08:17
ログイン・ギャングスタ6


話題:連載創作小説



放送禁止用語ばかり出てくる会話を聞くと不思議と僕の股間も痛くなる。

「とにかく、その赤字をしなきゃならないんだな」
「そう言うこと。そうそう、僕は彼のツアーに付き合うし、ジュリアはまだフロリダだしエディは撮影だから今回は一人で頑張って」
「待てよ。サポートぐらいしてよ」
「フルパワー解除しておくからさ」
「嫌だ、い、や、だ!一人なら絶対やらないからな」
「寂しがり屋だな」

困るマティアスを他所に駄々をこねるキッドはふと思い付いたように僕を見た。

「そう言えばあの企画、うちの商品とゴールデンギャングスタを買って応募するんだったっけ」
「そうだよ」
「なら話は早いじゃない」

ニヤリとするキッドに僕は嫌な予感を感じた。

「ゲーム好きだろ?」
「あ、はい」
「得意ジャンルは?」
「あー……えっと、FPS、シミュレーション、RPG、パズル、音ゲー……あとレーシング」
「うん、バッチリ。マティ、こいつを連れていく」
「本気で言ってるのか?」
「もちろん」
「なにかあったら困るよ」
「大丈夫だって、そこは上手いこと誤魔化せる」
「はぁ……何があっても知らないからな」
「おい、お前。ゴールデンギャングスタのアカウント教えろ。あたしと一緒にゲームだ」

キッドに強引に手を引かれ落ちそうになる眼鏡を押さえながら僕は奥の壁の前に連れてこられる。

<続>

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