暇だったんでもう一個!
ちなみに小説は置き溜めしていて、ただいま六章まで打ち終わっています^^
では、いつも通り追記よりドゾ^^⇒
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暇だったんでもう一個!
突然地響きとともに、ギャオーンという叫び声が木霊した。
どうやら怪物は結構近いらしい。
「行きましょう、ヴィータ。」
二人は橋の向こうへと走り出した。
‥‥‥‥ラッドって誰だっけな?
走っている間、ヴィータはずっとその事を考えていた。
なんとなく、だが絶対に思い出さなければいけない気がする。
彼が考えて止まってしまっている時にも、アリシアは声の主である怪物を探していた。
そして────
「ヴィータッッ!いたよ!!」
そう言って彼女が指さしたのは、まさに野良と言えるように、薄汚れた茶色っぽい色で、手には何かの魚を持った‥‥‥‥でかい猫の怪物『ボスネコ』。
周りには自分たちしかいない。
「聞き忘れてたが、アリシアの戦い方って何だ?」
その言葉に彼女は錫杖を出す。
「私は回復系の魔法と、攻撃系の魔法が少しかな?ヴィータは剣士だよね、ラッド兄さんと同じだね」
またラッドって言った、本当に誰だった?‥‥‥‥だが、確かに気になるが、今やることは────
「じゃあボスネコを倒すぞ。」
「ウォーティ!」
そう彼女が叫ぶと、彼女の周りにいくつかの水玉がシュンッッと出て、ボスネコにぶつかって破裂する。
だがボスネコはぶるぶると体を震わせて、毛にたまった水分を吹き飛ばしている。‥‥‥どうやら効いていないようだ。
それならとヴィータが敵の背後に飛び、斜め切りをしようとする。
しかしボスネコの投げる魚が複数勢いよく飛んでくる。すさまじい猛攻により、後ろへの緊急回避を余儀なくされる。
「大丈夫、ヴィータっ?ヒール!」
後ろで構えているアリシアから回復の魔法をかけられる。
自分が前で彼女を守っているということに気付く、そして、負けてはいけないと新たに決意し、のけぞった体勢を正す。
後ろに回ってもだめなら‥‥‥正面から叩く!!
後ろ脚に力を込め、前へ飛ぶように走る。飛んでくるマグロを左右によけ、片足をばねに跳躍、剣を振り下ろそうとした時。
「おりゃぁぁぁぁ!!」と何か聞き覚えのあるような声が聞こえ、ヴィータは何かの衝撃に吹き飛び地面に激突、気を失ってしまった。
─────目が覚めたらそこはどこかの小屋だった。
薄橙に光る安っぽい明りから、来る際に一度入ったマクスード側にあった小屋であることが分かった。
「あっ気が付いたんですねっ」
とすぐ近くからアリシアの声が聞こえる。
この声で、さっきの事を思い出したヴィータが、ムスッとした表情で何があったのか聞いた。
どうやらさっきの攻撃は、アリシアの言っているラッド兄さん、がボスネコに向けた攻撃が、誤ってこちらに当たったらしい。
「‥‥‥で、そいつは今どこだ?ぶん殴ってやr」
女の子の前で攻撃されて倒れて、そのうえ運ばれるとは‥‥‥‥何という不覚。
「ラッド兄さんなら、‥‥‥‥えっと薬草を買いにラリアット村まで行きました。」
その言葉にヴィータが固まる。
「‥‥‥‥‥一応聞いとくが、ここってマクスードのほうにあった小屋‥‥‥‥だよな。」
すると、彼女は不思議そうな顔をする。
「はい、そうですけどどうかしました?」
────これでヴィータは悟った。相手がおバカと天然娘だという事を。
何も言えない、呆れて。ふつう回復魔法使える人がいたら、それで回復するだけでいいんじゃないのか?という考えが、彼の中で悶々と巡る。
今の気分を叫べと言われたら、迷わず「バカじゃねーのか!!」と大声で叫んでいるだろう。
黙り込んでしまったヴィータに、アリシアは聞いた。
「ところでどうします?ヴィータも起きましたし、ラッド兄さんを追いかけますか?」
しかし、彼はヴィータをふっ飛ばしたから薬草を買いに行っているというわけで、悪く言えば彼女と行く必要はない。‥‥‥‥当然彼は言う、機嫌悪そうに。
「行かねーよ、面倒くせェ」
それを見たアリシアは、悲しげにしゅん‥‥とうつむくと、さみしそうに「そっか‥‥
と呟く。
小屋の薄明るい光がまるでスポットライトのようにアリシアに当たり、彼女だけを照らす。
この落胆の様子に、さすがのヴィータも焦る。
「い、いやっ行く!行かせていただきますからっっ!!」
必死になだめようとするヴィータの様子がおかしかったのか、アリシアはくすりと笑った。
「ありがと!じゃあラリアット村行こ!」とアリシアはいい、荷物に手をかけた。
ラリアット村に行けばラッドとやらと会える。‥‥‥‥誰かと思いだせるかと思いつつも‥‥‥
性 別 | 女性 |