狂い月

今ある憎しみなど
喰らいてしまえ
今ある悲しみなど
喰らいてしまえ

ふと湧いた
疚しい浅ましい心など
かみ砕いて
喰らいてしまえ

どうせまた
心の奥底から
とめどなく
現れるのだから

大きな声が出ない。
内に篭ってしまう。

自信がない。
恥ずかしい。
言いづらい。

どんどんと声が小さくなる。
意識して大きくしても。
次第に小さくなる。


これは、語ることを遮られているのだろうか。
それとも私が、語ることを拒んでいるのだろうか。

苛々するのは何故だろう。


自分でも思っていることを指摘されるからだろうか。
その苛立ちは自分に対してに違いない。


優位に立ち物事を威圧的に言われるからだろうか。
支配されるのが嫌いだからに違いない。

たまに、ｿﾞﾛ目をよく目にする人の話を聞く。
買い物の金額が777だったり、時間が11:11だったり。

特に時間の話は、小さい頃はそんなことなかったのに、近頃は頻繁に目にすると、不思議に思ったことがあった。
しかし、気がつけば理由は簡単。


それは時計がﾃﾞｼﾞﾀﾙ表記だったから。
携帯などの電話類、ﾊﾟｿｺﾝ他。
画面を見ていれば、意識していなくても端には常にﾃﾞｼﾞﾀﾙ表記の時間。

更にそれが24時の表記なら尚更。
13:13、14:14、15:15…。
ｱﾅﾛｸﾞの時計なら、さほど気に留めない時間までが特別なように感じてくる。



誰だったか。
｢ｿﾞﾛ目を良く目にするのは、意識が高まっている時だから、集中して物事が出来たり、何かをはじめるのに良い｣
という話をされていた方がいた。
確かにそうかも知れない。


ただ、私の場合は、ﾃﾞｼﾞﾀﾙの時間だったに過ぎないと思う。
たまたま一度目にすれば、気になって時間を確認するようになり、必然的によくｿﾞﾛ目を目にするようになる。


けれども、やっぱりｿﾞﾛ目を目にすれば、少し嬉しくなるのは確かな話。

飢えた蜘蛛に
囚われの蝶

蜘蛛を殺すか
蝶を逃がすか

どちらにしても
蜘蛛は死ぬ